ウェアラブルデバイス「Telepathy One」を開発するテレパシーが、米国ニューヨークでプロトタイプ・アプリケーションである「漫画アプリ forTelepathy」の体験披露プレスカンファレンスを開催した。
3月に開催されたSouth by Southwest(SXSW) Interactiveで初公開されたTelepathy One。現在もプロトタイプの開発を進めているところで、近日中には、サンフランシスコに本社を設立する予定だ。Googleの手掛けるウェアラブルデバイス「Google Glass」も開発者向けに提供が開始されており、その対抗馬としての期待も高まっている。
そんなTelepathy Oneが目指す世界観と今後について、頓智ドット創業者でテレパシー代表取締役CEOの井口尊仁氏に話を聞いた。
Telepathy Oneは、OSとしてLinuxを採用し、マイクロプロジェクターとBluetooth通信モジュール、現在開発中のカメラとマイクを搭載するメガネのような形状をしたデバイスだ。現在、待機使用で8時間、連続使用で2時間の動作する。
製品を公開したSXSWでは、GoogleがGoogle Glassに関する発表も行っていた。その影響もあってか、会場での注目度も高かったというTelepathy One。「Googleは2年以上前から開発をしている。しかし我々はベンチャーとして同様なデバイスを開発をしていることで、投資家やメディアに声をかけて頂くことも多かった」(井口氏)
Google GlassとTelepathy One、ひとくくりにすれば同じウェアラブルデバイスだが、では何が異なるのか? 井口氏は「Telepathy Oneはコミュニケーションを重視しているのが一番のポイント」と語る。
既存のスマートフォンでは、友人とコミュニケーションする際にさまざまなステップが生じるが、それをできるだけなくすことを意識したデバイスなのだという。「街中を歩いていてかわいいものを見つけた時、スマートフォンで撮影して、コメントをつけて投稿するまでには実に13のステップを踏んでいる。しかしでは、Telepathy Oneは見たままを撮影し、(投稿すれば)そのまま友人からのコメントが目の前に表示される。リアルとオンラインがシームレスにつながっていく」(井口氏)
またGoogle Glassは、「Glass」と言う名称のとおり、映像を映し出すプリズムが目を覆う形となっている。Telepathy Oneは、最小で縦が3ミリメートルととても小さく、プロジェクターに気にすることなく、自然に前を向いて話したり歩くことができる。自然な形で互いの行動を共有することができ、そこから新しいライフスタイルが出てくるという。
井口氏は、カメラの画質を高めて大きくすると、普段使いしにくくなるため、あくまで小さく、それでいてファッション性を重視したプロダクトにこだわったという。「日常に溶けこませるものこそ、ウェアラブルであるべき。日々身に付けるのが楽しくなるようなものであって欲しい」(井口)
Telepathy Oneのコンセプトは「Wear your love」。恋人や友人などと自然につながるがり、常に同じ体験を共有できることで「人と人とのつながりをできるだけ縮め、密接なコミュニケーションが生まれる」(井口氏)というる。
カメラを通じ、他人と会話をしたりテキストメッセージを交換する。それはこれまでの「共有」ではなく、そこにある声や雰囲気、映像までを見たまま、聞いたままの状態で伝えられるという。カメラがストリーミングに対応すれば、文字通り恋人や友人と視覚的に“つながった状態”になることができる。「視覚は人間の行動に強く作用する。美味しいものをカメラで撮影して相手に送ったら、美味しそうというメッセージが、画面にニコ動みたいに弾幕としてでてくる。まさにAR感覚にも通じるものが多い」(井口氏)
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