Icahn氏とAckman氏の間には比較的少額の利益分配をめぐる過去の衝突もあり、それがこの一件をめぐる大げんかにつながったようだ。Vanity Fairの特集には、2012年3月に開かれたあるカンファレンスで、Ackman氏がIcahn氏の名前を挙げて「アイツには敬意を抱いていない」と言ったのに対し、Icahn氏の方はさっそく「Bill Ackmanからの批判なら、どんなものでもお世辞だと思っている」などと反撃したとも書かれている。
このHerbalife株式をめぐる大勝負は今なお継続中で、最終的に誰が一番大笑いすることになるかはまだわからない。Ackman氏の過去の勝利の中には、足かけ7年もかけて勝ち取ったものもあるという。
かつてBill Gates氏やLarry Ellison氏、故Steve Jobsらが現役で、彼らの発言がニュース記事の見出しを飾っていたころには、これに似たような類のトラッシュトークもよく報じられていた——そんな記憶もあるが、良くも悪しくも、これほどエゴむき出しの人間臭いものではなかったな。最近の比較的若い経営者はすっかり優等生で、トラッシュトークなどすっかり見聞きしなくなった。
同時に、市場環境や競合相手との力関係もあっという間に変わる中で、こういう歴戦の強者のような投資家=株主の相手もしなくてはならない企業経営者の仕事というのは、さぞや骨の折れる仕事であろう、などと思った次第である。
(トップ画像の出典:copyright-free-pictures.org.uk)
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