ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)は、Windows 8アプリコンテスト「Digital Youth Award」の最終決勝大会を2月28日、東京・六本木のニコファーレで開催した。
Digital Youth Awardは「人が豊かになる国民的アプリ」をテーマに次代を担うイノベーティブな人材の輩出することを目指し、社会人、学生を問わず、18歳~29歳までを応募対象に実施したWindows 8アプリコンテストだ。
1100作品の応募があり、中から事務局が審査を行い31作品に絞り込んだのち、審査員による審査の結果、予選を通過した12チームが決勝大会に出場した。
決勝大会にはアイディア発想部門で7チーム、アプリ開発部門で5チームが参加。各チームは会場に参加している約100社のバイヤー企業に向けて7分間のプレゼンテーションを行った。バイヤー企業は、最終プレゼンテーションの内容を聞き有望と判断したチームと商談し、アイデア実現に向けた支援や事業化などに取り組める。
バイヤー企業各社は各チームのプレゼンテーション終了後に、その内容について「いいね!」の札をあげて評価。実際にマッチングしたいという企業は、すべてのプレゼンテーションが終わった時点で各アプリの名前が書かれた箱の中に、名刺を5枚まで入れることができ、各チームと3社の企業が優先的に交渉権を得る仕組みとなっていた。
WDLCの勝俣喜一郎事務局長は「Windows 8のアプリケーションの普及のほか産官およびNPOが連携して実施したという点でも意義がある。また、単なるイベントやコンテストで終わらせるのではなく、ドラフト形式のマッチングの場とすること、社会貢献性を推し量るといった点がDigital Youth Awardの特徴になっている」とした。
審査員は日本マイクロソフトの加治佐俊一最高技術責任者、放送作家の小山薫堂氏、経済産業省経済産業政策局産業人材政策室の中島大輔室長補佐、インテカーの齋藤ウィリアム浩幸氏、パーティのクリエイティブディレクターの清水幹太氏、バスキュールのプロデューサーである西村真理子氏の6人が務めた。
グランプリに選ばれたのはアイディア発想部門では吉田圭汰さんの「ジャパニコーゼ」、アプリ開発部門では桑原匠吾さんの「Touch 8」だ。
準グランプリはアイディア発想部門が和泉眞人さんの「Ba-Show」、アプリ開発部門が田中善之さんの「筆談パッド」となった。また、WDLC理事賞には武井茉莉花さんの「震災復興アプリ」に決まった。
審査員の西村氏は「アイディア発想部門のグランプリと準グランプリの選考では審査員の票が2つに割れた。結果として日本、世界を豊かにするというテーマに沿ってグランプリにジャパニコーゼを選んだ。ジャパニコーゼは高齢者をガイドとして活用し、世界中から日本に観光客を呼ぶためのアプリだ。ほかの作品もすばらしかった」と講評。「日本が抱えている問題を解決するといったものもあったが、もっとイノベーティブなアイデアが欲しいという印象もあった。第2回にも期待したい」などとコメントした。
また、同じく審査員の齋藤氏は「アプリ開発部門は実際に開発をするために難しさがある。また審査ではプレゼン力も評価した。グランプリのTouch 8は、Windows 8がもたらすタッチの世界における問題提起をはっきりさせているという点を評価した。一方で、タッチができたり、音声が使えるという環境にあるにも関わらず、こうした新たな機能があまり使われていない。2次元的なものを3次元的なものに発展させるなど、新機能をもっと活用したものを期待している」とした。
協賛企業賞の発表もあった。各協賛企業賞の受賞者は以下の通り。複数の協賛企業賞の受賞者もいた。受賞者には記念品としてWindows 8搭載PCなどが贈られた。
審査員のひとりである日本マイクロソフトの加治佐俊一最高技術責任者は次のように話した。
「イノベーションを進めていくには、しつこくやることが必要である。自分が持っているアイデアを広げるためには、しつこく人とつながっていくことも大切。また、いいアイデアに対してきちんと支援し、若い人たちのアイデアを育てていける社会になる必要もある。第1回目のDigital Youth Awardには、1000以上のプロダクトの応募があり、今後も参加してくれる若者が増えるだろう。WDLC全体としても若者の育成が求められる」
なお決勝大会の様子はニコニコ生放送で生中継され、3万3000人が視聴。書き込みの様子も会場内の大型スクリーンに表示されていた。
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