一部の人々は、BloombergとLinkedInはビジネス上の良いコンビになれると考えている。筆者は、財政的に大失敗に終わると思う。
ReutersのFelix Salmon記者は、興味深いが不完全な記事の中で、Bloombergが世界最大のビジネスソーシャルネットワークを買収することのメリットについて熟考している。
以下は、同記者の記事からの引用だ。
BloombergがLinkedInを買収すれば、Bloombergは「Bloomberg Terminal」に年間2万ドルを支払う人々に注意を払っているだけではなく、専門職の世界にさらに広く影響を及ぼすことに関心を持っているとはっきり示すことになるだろう。LinkedInは、Bloombergのようにメッセージングメディアとして始まったのではないが、さまざまな点で、われわれにとっては「Bloomberg Messenger」に一番近いものだ。Bloombergは、より深い制度的なレベルで、専門職の人々がどのようにネットワークを作り、メッセージをやり取りしているかを理解している。LinkedInには、Bloombergのネットワークを小さく見せるようなネットワークがある。この2社が1つになれば、恐るべき組み合わせになるだろう。
表面的には、Salmon記者の主張には筋が通っている。Bloomberg Terminalは金融業界を支配しているが、そのビジネスに拡大の余地はさほど残されていない。一方LinkedInは、金融業界以外の専門職における拡大の可能性をまだかなり持っている。そこはBloombergの影響力が限られている領域だ。
しかし、この2社の組み合わせは大きな失敗になるだろう。ビジネス界の有名企業2社が協力すれば何が起こるだろうかと考えをめぐらすのは楽しいが、それはどちらにとっても絶対に採算の合わない話だ。
まず、そうした買収の価格について考えてみよう。LinkedInの現在の時価総額は120億ドル強だ。非公開企業であるBloomberg L.Pは、2011年に76億ドルを売り上げている。それはThe Financial Timesを買収するには十分だが、LinkedInの規模の企業を買収するにはまるで足りない。LinkedInの投資家らは、買収時にはプレミアムを要求すると予想されるので、買収額はさらに数十億ドル増える。
2008年にMerrill Lynchは、Bloombergの評価額を225億ドルとする取引で、同社株の20%を取得した。Bloombergの評価額が2008年から2倍になっているとしても(実際にはなっていない)、それでもLinkedInの評価額はBloombergの4分の1以上ある。買収を成功させるためには、Bloombergは買収取引の資金を援助してくれる外部のパートナーを見つけるか、合併を大きくコントロールすることをあきらめる必要があるだろう。
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