パスワード解析を手がけるStricture Consulting Groupの創設者で最高経営責任者(CEO)のJeremi Gosney氏は、AMDのグラフィックスカード「Radeon」を25基搭載したコンピュータクラスタを公開した。このクラスタの処理能力を用いると、「NT LAN Manager(NTLM)」認証に対して毎秒3500億通りのパスワード推測が行える。NTLMは、Microsoftが2003年から「Windows Server」で採用しているセキュリティプロトコルだ。
このクラスタについてはArs Technicaが最初に報じた。
Ars Technicaの取材に対し電子メールで声明を寄せたGosney氏は、その中で、Strictureの技術を使えば従来の「約4倍の速さでハッシュ値を攻撃できる」と述べた。同クラスタは総当たり方式を用いて、アルファベット、数字、記号からなるすべての8文字のパスワードを5時間半で推測できる。企業が以前のWindows Server向けパスワードオプションである「LAN Manager(LM)」認証を採用している場合、同クラスタは6分でパスワードを解析できる。
どうしてそのようなことが可能なのか。Ars Technicaによると、このクラスタは「Virtual OpenCL」プラットフォームを採用しており、それによってGPUに、すべて1台のデスクトップコンピュータ上で稼働していると思わせるのだという。実際のパスワード解析には、フリーのパスワードクラッカー「oclHashcat-plus」を使用している。
消費者や企業、オンラインサービスにとって、パスワードセキュリティは依然大きな課題となっている。いわゆる「堅牢」なパスワード、すなわち多くの場合、数週間とはいかないまでも数日間は破られなかったようなパスワードも、高度なツールを使用することでますます簡単に解析できるようになっている。つまりは、十分注意して、可能な限り堅牢なパスワードを作成する必要があるということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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