イー・アクセスは11月12日、2013年3月期第2四半期の決算会見で、ソフトバンクとの経営統合について説明した。ソフトバンクは10月1日、イー・アクセスを2013年に完全子会社化することを発表している。当初予定していたスケジュールを前倒し、2012年12月25日を株式の最終売買日とし、12月26日にイー・アクセスの上場を廃止。2013年1月1日から株式交換の効力が発生する。
イー・アクセス代表取締役社長のエリック・ガン氏は、経営統合によりイー・アクセスの保有する周波数帯である1.7GHz帯と、ソフトバンクの保有する2.1GHz帯・900MHz帯を相互活用することで、両社のネットワークのカバーエリアを大幅に拡大できるとメリットを語る。
またガン氏は「弊社はモバイルデータ通信では人口カバー率95%を達成しているが、やはり音声通信については大手3社と比べて不十分だった」と語り、ソフトバンクとの経営統合で、同社の課題であった音声通信の領域もカバーできるとした。実際にネットワークの相互活用が開始されるのは2013年の3~4月ごろになる予定。
周波数の相互利用については、ソフトバンクが7月に900MHz帯サービスを開始して3カ月にも満たないタイミングでイー・アクセスを買収したことから、一部の識者などの間ではソフトバンクの電波の“両取り”を疑問視する声がある。
また、総務省が2009年に両社に新周波数帯を割り当てた際に、3分の1以上の出資比率を持つ会社の同時申請を認めない指針を示したことから、これにソフトバンクが配慮し、イー・アクセスへの出資比率を下げる可能性があるともいわれている。これについては「100%の形から変更はない。そのあとについてはまだ決まっていない」(ガン氏)と説明した。
第2四半期の業績は、売上高が前年同月比12.3%増の1084億6500万円、営業利益は同35.8%減の86億1000万円、経常利益は同57.1%減の30億7500万円、純利益は同47.5%減の37億1200万円だった。累計契約数の拡大により増収となったが、顧客獲得にともなう人件費の増加や、LTEへの設備投資などにより減益となった。
モバイルの累計契約数は約426万契約で、このうちの約52万が3月にサービスを開始したLTEの契約数となる。LTEのカバーエリアは9月末時点で60%で2013年3月末までに70%まで引き上げる予定。また、2013年春にはイー・モバイル初のLTE対応Androidスマートフォンを販売する予定だ。
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