「強いものをより強く勝てないものは他社と一緒に」--新体制から半年のヤフー - (page 2)

岩本有平 (編集部)2012年09月28日 14時00分
  • 一覧
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 YJキャピタルは、アーリーステージへの投資を行います。出資先がYahoo! JAPANと連携したり、トラフィックの誘導などをしたりすることも考えられますが、純粋なベンチャーキャピタルだと思って下さい。

 特にアーリーステージの場合、ヤフーと一緒に何かやるというのは難しいところがあると思うんです。イノベーションのジレンマが起こってしまう。YJキャピタルの出資先がヤフーのサービスを破壊する、ということがあってもいいと思うのです。

 一方でコミュニティファクトリーやnanapiの件は、事業上の文脈に沿った話です。これらはヤフーの各カンパニーで担当しています。

--ヤフーが組みたいのはどういった企業ですか。また提携以上の組み方についてはどうお考えですか。

 まず考えるのはユーザーの課題解決になるかどうかです。また、ヤフー内にビジネスモデルがないところに関しては取り込みたいし、成功させたいと思います。

 提携の方法については、事業提携でも資本参加でもフリーハンドでやっていきます。よくある話だと、「出資させないと提携は…」というケースがありますが、そういうことは考えていません。一方で、我々が資本参加することでより効果が出る場合もあります。また安定的なパートナーを求めるのであれば、取り組みの進化とともに状況は変わると思います。

--提携や買収は海外の企業も視野に入れているのでしょうか。

 もちろんあります。最近ではフランスのCriteoに出資しています。さっそく効果はすごいですよ。

 また、先ほど話したように、各カンパニーが血まなこになって面白い企業と会っています。今は本当に、情報がヤフーに来るように仕切り直しているところですね。

--新体制以降の社内の様子を教えて下さい。

 頑張る人は頑張るようになってきたという感じですね。全員が変わるというのは難しいですが、頑張ったり、爆速したりするのが楽しいと思う人たちは変わってきましたね。

--ヤフーが掲げる「爆速」の達成度合いをどうお考えですか。

 いや、本当に爆速ですよ(笑)。ただ体制を作るためには(1)仕組み作り(2)その成果が出る(3)成果の規模が大きくなる――という3段階があると考えています。そう考えればまだ1段階目の途中といったところです。

 リソース配分のルール作りも進め、10月からは人事評価制度も変えます。また、外の企業との連携の方針が整いつつあります。そういう仕組みを使った「成果」が出れば第2段階に進むと思います。新体制から1年以内である程度の成果は出したいと考えています。

--今後、特に重視するサービス領域はありますか。

 我々も強くないし、それでいて競合が強いかというとそうでもない、だが利用者の課題解決のニーズが高いのは医療やヘルスケアだと思っています。日本はその分野での課題先進国。これからますますそうなっていくでしょう。

 もちろんゲームなどでも収益を上げますが、ヤフーが本当にやるべきことはこういった骨太な課題を解決するということはないでしょうか。

 今は「Yahoo!ヘルスケア」を提供していますが、日々の健康管理や予防医療などができればいいですね。これからセンサー系のO2Oというか、日々過ごしている間にデータがたまり、それが情報の価値を生み出すというサービスが出てくると思います。そういうことにまじめに取り組めればいいですよね。

 あとは「働く」ということです。年内で「Yahoo!リクナビ」が終了して、2013年には新しい求人サービスも立ち上げるので、ソーシャルメディア時代の「働く」について考えています。

 1つは「Yahoo!クラウドソーシング」のようなフリーエージェントのような分野があります。また一方では転職や派遣といった分野があります。ヤフーが掲げる「課題解決エンジン」の名の通り、解決が難しい課題ほど優先順位を上げてやっていきたいと思っています。

--最近だと「LINE」の勢いがすごいですが、メッセージングサービスについてはどうお考えですか。

 「Yahoo!メール」のシェアは今でもすごく高いんです。ただそれが「メールするまでもない」というところでメッセージングサービスを利用されているところがあります。

 なので、「Yahoo!メールをどうするか」ということと「ライトなメッセージングサービスをどうするか」という2つの課題があります。ですが結局のところ、その“次”を考えないといけません。

 メールの寿命が長かっただけで、ICQからTwitterまで、今までコミュニケーションツールもいろいろと変わってきました。もちろんLINEはすごいと思いますが、一方でまだまだ新しいツールは出ると思います。それはメディアリテラシーの進化と新しいデバイスの進化、そして通信速度の進化のかけ算の中で決まってくるものでしょう。今はLTEを使い始めてみんなが驚いていますし、iPhoneも縦長になりました。ここから何が生まれてくるかです。

 また、後発では勝てないと思います。LINEと正面から勝負するというよりかは、新しいコミュニケーションが発生するときに求められるツールを考えないといけません。そこをやっていきます。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]