ソフトバンクモバイルは9月21日、iPhone 5を発売した。午前8時からの発売に伴い7時45分からソフトバンクショップ銀座にて発売セレモニーをスタート。8時時点で、260人以上の予約者が列をなした。
イベント終了後、孫氏は記者団からの質問に答えた。まず、iPhone 5の目標販売台数と事前予約数について、「台数は、これまでもこれからも一切コメントしない。ただ、すでに予約の台数は初回入荷を上回っており、一瞬で完売している。予約も納入台数も史上最強だが、それでも一瞬で品切れ。これからまた続々と入荷するので、多くの人に届けたい」と好調ぶりをアピールした。
もっとも多く質問が飛び交ったのは、LTE対応の基地局についてだ。iPhone 5をより快適なものにするLTEの対応状況は、ユーザー満足度を左右するポイントのひとつでもある。
孫氏は、9月19日に行った発表会でLTE基地局の免許認可数を挙げ、「ソフトバンクは遅れていると報道されているが、iPhone 5におけるエリアの広さや大きさ、電波の届く範囲は、われわれは倍以上先行している」と攻撃。それに対しKDDIは、LTEに加えて従来よりも高速な3Gは下り最大9.2Mbpsの「EVDO MC-RevA」、山手線エリアのカバー率の高さ、、本当の意味でのカバー率の高さはKDDIだと反論するなど、両社の戦いは熱い。
これらを受けて、孫氏は「LTEの基地局で免許を獲得済みなのは我々が1万500ぐらい。他社は4500ぐらい。今日現在、われわれがLTEで今現在稼働しているのは7300基地局。今年度末までに稼働予定が1万9000基地局。これは、実人口カバー率で91%」と今回は、実稼働数を明かした。
なお、カバー率の範囲について、「実人口カバー率は、実際に500m×500mのところにどのくらいの人口が住んでいるかだ。(これまで使用してきた)人口カバー率は、市役所や役所に電波が来ていればよいというカウントの仕方だったが、それだと実際よりも過大に計上されがちだった。今申し上げたのは91%は実人口カバー率。より実態に合った、保守的な見方になっている」と強調した。
そして、「これだけ、紙も見ずに数をスラスラ言えるということは、それぐらいLTEの基地局は意識した競争。われわれは、今までLTEについて、ほとんどコメントしてこなかった。これは経営の基本方針だったが、ソフトバンクはLTEに対して消極的なのではないかと報道されたり思われていたかもしれない。しかし、ライバル会社の免許数4500に対し、稼働済みが7300基地局だから、競合他社の2.4倍進んでいるのが実態」と自信を見せた。
さらに、「都心ではどうか、という質問が投げかけられていた」として、東京23区におけるiPhone対応のLTE基地局免許許可数の一覧を記者に配布した。それによれば、東京23区において、ソフトバンクが1192局に対しKDDIは776局で、約1.5倍の差がある。一方で、実稼働率について質問を投げかけられると、「そのうちの実稼働はまだ把握していない」と明言を避けた。
一方で、山手線エリアについてはまだLTEの基地局が実稼働していないところがあることを認めた上で「来月末には、山手線内でもほとんど吹けるようになる」とコメント。「われわれの場合、プラチナバンドにできるだけ早くiPhone 5、iPhone 4/4Sのトラフィックが行くようにできれば、その分LTEのためのバンドが空いてくる。そのへんのせめぎ合いをにらみながらやっているけれども、より多くの基地局を稼働していく」とした。
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