ブラザー販売が、インクジェットプリンタの新ブランド「PRIVIO(プリビオ)」を発表。その第一弾として、個人向けおよび企業向けの17機種を9月上旬から順次発売する。
「PRIVIOは、PrintとInnovationの2語を組み合わせた造語。ブラザーが今までにない発想や、新たな技術を積極的に取り入れ、プリンタメーカーとして革新的な価値を創造していくという姿勢を示したものになる。新製品はブラザー=プリンタというイメージの浸透を目指すものになる」(ブラザー販売代表取締役社長の片山俊介氏)とした。
PRIVIOシリーズは、ライフスタイルやワークスタイルにあわせて3つのシリーズを用意。多彩な機能を搭載し、家族で楽しみたい人に向けた「ベーシック」、新たな技術を搭載した高機能シリーズで、スマートかつスピーディーに印刷したい人をターゲットにした「ネオ」、大量印刷などに最適化したビジネス向け製品とする「ワークス」をラインアップする。
今回は、ネオシリーズおよびベーシックシリーズを発表した。
「PRIVIOベーシックシリーズは、従来の個人向けプリンタのMYMIO(マイミーオ)をブランド変更したものになる。2003年からMYMIOのブランドを使用してきたが、通信機能を前面に打ち出し、FAXからの置き換えという需要を開拓してきた。しかし、昨年からFAX機能付きプリンタという領域から、プリンタ単体としての市場にも本格参入しており、新たなブランドによってそうした姿勢を明確にした。また企業向けのJUSTIO(ジャスティオ)に関しては、レーザープリンタやスキャナではそのままブランドを残す。インクジェットプリンターについては、PRIVIOシリーズに統合していくことになる」(ブラザー販売マーケティング推進部 部長の大澤敏明氏)とした。
ブラザー販売取締役の三島勉氏も、「複合プリンタメーカーとして、勝負をかける万全の体制が整った。今までにない発想と技術によって、プリンタメーカーとして革新的な価値を創造していきたい」と意欲をみせる。
PRIVIOネオシリーズは、スタンダードモデルの「DCP-J4210N」と、ADFおよびFAX機能を搭載した「MFC-J4510N」をラインアップした。
A4用紙を横向きに送る給紙方式を採用しているのが大きな特徴で、本体の奥行きでは、クラス最小となる290mmを実現。また、コンパクトな筐体を採用しながらも、A3出力を可能にしているという。
さらにインクのドットサイズを精緻にコントロールできる35mmの大型プリントヘッドを搭載。高画質を維持しながら、カラーで毎分18枚、モノクロで毎分20枚と、ベーシックシリーズの約2倍の高速プリントを可能にしている。
「機能や顧客価値をもう一度見つめ直して開発した製品。机の上では作業スペースが限られているが、プリントやスキャンをしたい場合に手元にあった方が便利であるということから、スペースを犠牲にして設置してきた。新製品では発想を変え、横置き印刷ができるようにし、省スペース化とA3サイズまでの印刷を可能にした。インクジェットプリンタにおいては、横置き印刷は紙がカールしてきれいに印刷ができない、カールした紙がプリントヘッドに当たってしまうといった課題があり、業界では実現が不可能とされていた。ブラザーでは、紙に小さな縦波をつけることで、この問題を解決した」とする。
また、環境性能においては、ブラザー独自の低待機電力技術のグリーンスタンバイを採用。電源オフ時の消費電力は約0.04Wとなっている。
「コンセントに指したままでも、抜いた状態に限りなく近づけることで、昨今の節電意識の高まりに対応していく」(三島氏)という。
新たなユーザーインターフェースを採用したタッチパネルを搭載していることから、スマートフォンのようなスムーズな操作を可能にしているのも特徴だ。
一方、PRIVIOベーシックシリーズは15機種を発表。主力モデルとなる「DCP-J940N」と「MFC-J960DN/DWN」においては、「女性から白いカラーバリエーションを用意してほしいという要望があった」ことから、白と黒の2色を用意。さらに「きせかえデコ」によって、製品天板内のデコレーションシートを取り替えることによって、プリンタ筐体のデザインを変更でき、自分好みにカスタマイズできるという。
「MYMIOで評価が高かった従来からの高速プリントやコストパフォーマンスの高さを維持しながら、よりインテリア性を重視したのが、今年の個人向けプリンタの特徴」(三島氏)と語った。
スマートフォンとプリンタを直接接続できるアプリケーションとして、「Brother iPrint & Scan」を提供。これまでの写真、ウェブページ、PDFの印刷形式に加えて、新たにWord、Excel、PowerPointなどのOffice文書にも対応できるようにした。
同社では、PRIVIOネオシリーズとベーシックシリーズ全体で、年間65万台の出荷を目指す。「前年実績は約50万台強だったが、これを上回る目標を掲げる。昨年以上に積極的な販売促進活動により、年間15%のシェア獲得を目指す」(大澤氏)という。
一方、同社では新たなイメージキャラクターとして、今春デビューしたばかりの8人組のガールズユニット「モデルガールズ」を起用。「『ふつう』が、変わるぞ。」をキャッチコピーに、シアン(青)、マゼンダ(赤)、イエロー(黄色)、ブラック(黒)というインクの4色をモチーフに、ドット柄を印象的に使用。昨年から使用している「プリンターに、第3の選択肢。」のキャッチコピーも同時に使用する。CMディレクターには、カンヌ国際広告祭グランプリを受賞したデザイナーの中村勇吾氏を起用したという。
モデルガールズの8人は、「これまでのプリンタとはスピードが違う」「コンパクトに置ける」「操作がしやすい」「発色がきれい」など、PRIVIOシリーズを自ら使ってみた感想を述べていた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」