6月19日の株主総会および取締役会の承認を受け、NTTドコモの代表取締役社長に就任した加藤薫氏は、6月20日に開催された社長就任会見で、同社の今後のビジョンについての抱負を語った。また、新体制でのiPhone発売の可能性についてもコメントしている。
会見の冒頭で加藤氏は、スマートフォンの普及や機能の拡大、キャリアや端末メーカーのグローバルレベルでの競争激化などを挙げ、モバイルの世界は大きな変革期を迎えているとの見方を示し、「そんななか、このような大役を担うことができ、本当に身が引き締まる思い」と社長就任について語る。
またドコモとして、これまで以上にスピード感をもって、新しいものに挑戦していくという思いを込めた「スピード&チャレンジ」を掲げ、実現のためには「イノベーションによるサービスの進化」と「融合による新たな価値創造」の2つの要素が重要になると説明する。
「イノベーションの進化については、魅力的なサービスをスピード感をもって提供していきたい。このときこそ、我々の研究開発力、技術力が活きると思っている。ドコモクラウドの中にあるネットワーククラウドを機能向上させながら、しゃべってコンシェルのような、便利で、使いやすくて、だけど楽しいサービスをどんどん導入したい」(加藤氏)
融合による新たな価値創造については、モバイルとシナジー効果の高い産業やサービス企業と協業することで、新たな市場の創造を目指す。ドコモでは「メディア・コンテンツ事業」や「コマース事業」「環境・エコロジー事業」など8分野にフォーカスしており、これらの産業と融合し新たな価値を生み出すことで、時代に適した便利な生活を意味する“スマートライフ”を実現したいとしている。
加藤氏は「ドコモは20周年を迎えた。人間に例えると成人式を終えたところ。まだまだやるべきことはこれから充実させる時期ではあるが、今一度、顧客、株主、パートナーの皆さまに育てていただいた感謝を心に秘め、これからはドコモを支えてくれた方々にいろいろなサービスを提供しながら、さらなる成長を目指したい」と力強く語る。
また、現在のドコモについては、「しゃべってコンシェル」をはじめとした先進的なサービスを提供し、スマートフォンの品揃えにも自信があるとし「(100点満点中)80~85点はいただけそうかなと思っている」と評価。一方で、同社の課題であるMNPによる他社への転出については、中長期契約者へのサポート強化などによって改善を図っていきたいとした。
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