OmniOutlinerは、ツリー形式での文書作成に特化したMac版のアプリケーションだが、本アプリはそのiPad版だ。お互いのファイルには互換性があるため、デスクトップで書いていた文章の続きをiPadで書くといった使い方も可能だ。もちろん、iPad版のみでも十分使いやすい機能を備えている。
OmniOutlinerが、文書作成で優れているのは、簡単に段落ごとの入れ替えができることだ。論文や記事などの長文の執筆において、構成が最初から完全に決まっていることは少ないかもしれない。ある程度書き進めてから、段落構成を見直すことはよくあることだ。その際、ドラッグ&ドロップで、段落の順番を簡単に入れ替えられるOmniOutlinerは、非常に重宝する。
しかし、OmniOutlinerは、単なるテキストエディタではない。OmniOutlinerを起動すると、サンプル文書が7種類用意されているので、どのような文書の作成が可能かは、サンプルを見るのが早いだろう。Solarizedという、周囲の明るさに合わせた見やすい画面を実現する色の組み合わせが適用された文書のほか、数値の合計を出せる支出管理表や、チェックボックスを利用した読書管理表といった文書もある。一般的なテキストエディタを想像していると、気付かない使用法といえる。
OmniOutlinerには、「列」の概念が備わっているのが、他のテキストエディタとは大きく異なる点だ。列の種類には、テキストのほか、数値、日付、チェックボックスなどの属性を持たせることができる。属性ごとに、要約行の挿入が可能だ。要約行とは、たとえば、属性が数値の場合、合計や平均といった数値を出せる機能で、うまく使うと簡易的なExcelのように利用できる。しかし、数式を自分で入力する必要はない。
書き出し先も多岐にわたる。iDisk、WebDAV、iTunesのほか、「Appに送る」メニューを選択すれば、DropboxやMindNodeなど互換性のあるアプリで開くことができる。Mac版OmniOutlinerとのファイルのやり取りが頻繁にあると、やはりDropboxへの書き出しが便利だ。ただし、Dropboxに送る場合は、OPML形式かPDF形式となり、OmniOutliner形式ではアップロードできない。書類をメールで送信する場合は、OmniOutliner形式のほかに、OPML、DHTML、HTML、TEXT形式への変換が可能。自分宛にメールでファイルを送信して、デスクトップ版とiPad版の間でやり取りするのも意外に簡単だ。頻繁に長文の文書を作成する必要がある場合は、入れて置いて間違いはない。
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