SAP Americaは、クラウドベースのビジネスコマースネットワークを手がけるAribaを買収し、「未来のビジネスネットワーク」の開発を目指す。買収額は1株当たり45ドルで、総額で約43億ドルになる見込みだ。
買収は両社にとって重要な意味がある。Aribaが手がけてきた売り手と買い手のコラボレーションネットワークは、SAPの既存の顧客層とBtoBおよびオンプレミス(自社運用)ソリューションを補完するよう意図されている。従って、このネットワークがSAPにクラウド分野での躍進をもたらすのは確実だ。
SAPも、独自のリソースを投じてAribaの事業を強化する予定だ。たとえば、SAPは今後、主力の「HANA」インメモリプラットフォームを統合して、Aribaのネットワークのパフォーマンスを向上させる。
プレスリリースによると、構想の主眼は、クラウドかオンプレミスか、または両者の組み合わせを導入するかに関係なく、企業が「調達から支払いまで」の閉ループを達成できるような、総合的なワンストップ型ビジネスネットワーキングの選択肢を構築することだという。
他の新興クラウドプラットフォームおよび製品群と同様、SAPが売りにしているのも、企業全体のビジネスインテリジェンス(BI)およびデータの可視性が高まるという点だ。これは、AribaとSAPのビジネスネットワーク調達ソリューションを統合することにより可能になる。
買収は、2012年第3四半期末までに完了する見込みで、SAPのクラウド関連資産がすべてAribaの傘下に統合される予定だ。
Aribaは今後、経営陣がとどまり一定の独立性を維持しながら、「Ariba, an SAP company」(SAPグループのAriba)という名の下に操業する。さらに、現在Aribaの最高経営責任者(CEO)を務めるBob Calderoni氏は、買収完了後、SAPのグローバルマネージングボードのメンバーに指名される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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