PayPalアカウントを持つユーザーは、アプリの「お店情報」機能を使って近くにあるPayPal Here対応店舗を見つけることができる。ユーザーがアプリから店舗にチェックインすると店舗側に通知され、店舗で利用者の名前と顔写真を確認するだけで代金を支払うことも可能になるという。孫氏は、今後こういった決済方法が一般化していくことで「若者にとって財布を持ち歩くのはかっこ悪いという時代がくる」と語る。
また、日本ではすでにおサイフケータイが普及しているが、おサイフケータイはクレジットカードと比べて取引金額が少額であることや、機種変更などの際の残高の移行手続きが煩わしいなどの問題があるとして、競合には当たらないとの見方を示す。
「馴染みの客は顔パスだけでコーヒーが飲める、洋服が買えるということになると、これはもう支払いの革命が起きたということ。日本でガラパゴス的に発生したおサイフケータイは非常に一時的なビジネスモデルだったと、いまから5~10年後にいわれるようになる」(孫氏)
会見では、両社が提携するにいたった経緯も語られた。
孫氏によれば、eBayの日本参入や中国展開、米国での上場前など、過去に3度ほど同社との提携の機会があったものの、実現にはいたらなかったという。そして、約2カ月半前に孫氏がeBayを訪れた際、「4度目の正直で何かやりませんかと雑談をしていたら、まだ当時発表されていなかったPayPal Hereを一緒にやろうかと話が盛り上がった。この2カ月半で一気に合弁の発表までこぎつけた」(孫氏)という。
「もともとeBayとソフトバンクは、日本市場で過去に(ネットオークション事業の)競合として激しい戦いをして、中国でもソフトバンクグループのアリババがeBayと激しい戦いをしてきた。両社のグループとしての歴史は競合相手だったが、敵を知ることで好敵手として尊敬するようになった。機会があれば是非提携したいと話していた」(孫氏)
またドナホー氏も、「私たちもPayPal Hereを日本で展開したいという意向があった。日本は世界最大の経済大国の1つだが、クレジットカード使用率は低い。ならばPayPal Hereを使ってみてはどうかと。そこへ孫社長が訪問して下さり、PayPal Hereを米国で発表する数週間前から日本展開についての話が始まった」と、提携について明かした。
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