アプリだけではなく、ケースや周辺機器市場においても今年は飛躍的に変化した年であった。スマートフォンのケース市場は年々拡大してきたが、最近の傾向としては他人と違ったケースを持ちたい、デザインの優れたケースがほしい、など、ユーザーの傾向が多様化してきている。単なるスマートフォンを守るためのケースから、スマートフォンを着飾るためのケース=ファッションへと変化してきているからだ。
デザインセンスにこだわった世界のiPhoneケースだけを販売するCase Playでは、売上げが急上昇。店舗数も大幅に増やし、ユーザーニーズに対応している。客単価も上昇傾向にあり、今では数万円するようなケースが飛ぶように売れるという。先日六本木ヒルズで開催されたケースの展覧会「iPhone Accessary Show2011 by 4001field」では、ケースの平均単価が1万円にも関わらず売上げは300万円以上と大反響を記録した。
ケースだけではなく、その他の周辺機器も充実してきている。ゲームアプリをセットしたiPhoneに実際の銃のキットを取り付けて仮想の敵と戦う商品や、iPadを差し込むだけで昔のゲームセンターのような筐体でゲームを楽しめるアクセサリを販売するなど、iPhone+アプリ+アクセサリという組み合わせてゲームを楽しむような手法も徐々に増えてきた。
50万本以上もあるアプリケーション。毎年傾向を見てきているが、今年ほどアプリ内課金、そして周辺機器が成長した年はない。アプリ内課金で月数千万円の売り上げるようなアプリも出始め、ビジネスとしての市場が整いつつある。
今後はタレントやアーティストのタイアップアプリや企業のプロモーションアプリなどが増えることも予想される。タレントやアーティストの場合、知名度を活用し効果的にプロモーションが可能であり、またファン層の口コミによるダウンロード促進も期待出来るからだ。アプリを商品の販売促進に活用する事例ではキングジムが提供する「ショットノート」が挙げられる。
自社のノート商品に書き込まれた手書きの文字情報をデジタルデータにできる専用アプリを開発し、50万冊を突破するヒット商品を生み出すことに成功した。ドミノピザの事例など、すでにアプリを活用し自社サービスの販売促進につなげる例も増え始め、iPhone市場の規模の拡大と共に、更に拡大して行くことが予想される。そして、今後さらに我々が想像もしないようなアプリや周辺機器が登場し、新しい市場価値、ビジネスを生み、そして我々を感動させてくれるに違いない。
Yasu(@4001field)
NPO法人「all for one」理事長/4001field統括プロデューサー
広告代理店でイベントディレクターとして「TOYOTA」、「コカ・コーラ」など、数々のイベントを手がけ、現在は「I love iPhone」をテーマに様々な場所でイベントを展開!iPhone系のイベント、番組の企画などを手がける。また、東日本大震災の直後から現地でのボランティア活動などを開始し、様々な企業から支援してもらいながら復興支援の活動を行っている。
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