Android端末から遠隔地のPCを操作する「Lui」--NECの独自圧縮方式

藤井涼 (編集部)2011年12月21日 08時00分
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 NECパーソナルコンピュータ(NEC)は12月20日、外出先から自宅のPCを遠隔操作できるAndroidアプリ「Luiリモートスクリーン for Android」に関する説明会を開催し、このアプリに採用している技術や機能を紹介した。

  • 「Luiリモートスクリーン for Android」でリモート操作しているところ

 Luiリモートスクリーンは、離れた場所にあるPCを遠隔操作できる機能だ。2010年7月からPC向けに提供されているが、スマートフォンの普及を鑑みて、10月31日からAndroidアプリの提供も開始された。通常価格は2625円だが、2012年1月31日まではキャンペーン価格の525円で販売する。

 Androidスマートフォンでアプリを起動すると、3GまたはWi-Fiネットワークを経由して遠隔地のPCにアクセスし、事前に設定しておいたパスワードを入力するだけでPCをリモート操作できる。スマートフォン上でPC内のMicrosoft Officeなどを編集できるほか、写真のスライドショー閲覧も可能。NECのルータ「Aterm(エーターム)WR8600N」と連携することで、外出先からPCの電源をオンにすることもできる。

スマホアプリならではのこだわり

 スマートフォンでのリモート操作において課題となるのが、限られた通信帯域の中でPC(親機)と同じ画面状態を、いかに早くスマートフォン(子機)で再現するかということだ。NECでは、リモート操作時の画面描画方式として、親機の画面表示をキャプチャして転送し子機でデコード表示する「画像転送方式」を採用している。

 これにより、親機の描画コマンドを転送して子機側で描画する「コマンド転送方式」よりも滑らかな画面表示ができるという。一方でコマンド転送方式よりもデータ転送量は多く、ネットワーク速度が低いと表示が粗くなってしまうという問題がある。そこでNECでは、キャプチャデータの圧縮に独自のコーデックを採用。PC画面内の移動した領域のみを検出し転送することでデータ量の削減を可能にした。

 さらに、PC画面の一部をスマートフォンで拡大表示している場合に、その他の表示されていない画面の更新頻度を落とすことでデータ量の抑制を実現した。

  • 画像描画の仕組み

  • 画面キャプチャ時の工夫

  • 画面転送時の工夫

 タッチ操作用のマウスポインタ「タッチマウス」も搭載しており、ドラッグ&ドロップや右クリックなど、マウスを使っているような感覚でPCを操作できる。ピンチイン、ピンチアウトによる拡大や縮小表示、フリック操作による部分表示や位置移動など、スマートフォンならではの操作にも対応した。

 同日の説明会に出席したNECパーソナルコンピュータ コンシューマPC商品企画本部コンシューマ商品企画部主任の堤敏子氏は、NECのPC購入者に対して2月に実施した調査では、リモート操作の利用意向が67%であるのに対し、実際の利用者は7%と1割に満たなかったというデータを紹介。

 Android版を提供することで「PCだと外出先で使うのに通信カードが必要だったため障壁になっていたが、定額サービスが普及しているスマートフォンなら、これまで以上に使ってもらえると思っている。またAndroid版はPCよりも設定が非常に簡単になった」(堤氏)と語り、これまでビジネスユースが中心だった同機能を、個人ユーザーにも訴求していきたいとした。

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