NTTドコモの子会社で、モバキャス(V-Highマルチメディア放送)の認定基幹放送事業者であるmmbiは11月29日、取締役会において総額481億円の第三者割当増資の割当先について決議したと発表した。増資によって、同社の財源基盤を強化するほか、設備建設や事業運営の資金にあてるとしている。
mmbiはこれまで、NTTドコモ、スカパーJSAT、日本テレビ放送網、東京放送ホールディングス(TBS)、電通、テレビ朝日、伊藤忠商事、フジテレビジョン、住友商事、ニッポン放送の10社から出資を受けている。今回の第三者割当増資では、既存株主10社中、NTTドコモをはじめとした6社に新規発行株式を割り当てる。
また、新たにフジ・メディア・ホールディングス、富士通、日本電気(NEC)、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、シャープ、東芝、博報堂、電気興業、テレビ東京ホールディングス、博報堂DYメディアパートナーズ、Philippine Long Distance Telephone Company(フィリピンの通信事業者)の11社が出資会社に加わった。
今回の増資により、mmbiの株主は21社、資本金は15億円から496億円となった。また、筆頭株主のNTTドコモは292億1900万円の増資を引受け、同社の出資比率は60.45%となっている。
同日開催された記者発表会では、mmbiが2012年4月に開始する予定のスマートフォン向け放送局「NOTTV(ノッティーヴィー)」の事業展開についても説明された。
NOTTVは、「放送」と「通信」の特徴を連携した次世代メディアサービス。3チャンネルの番組を視聴できる「リアルタイム」型放送と、デバイス内に自動的に保存されたコンテンツを好きなタイミングで視聴できる蓄積型の「シフトタイム・コンテンツ」を利用できる。mmbiによればNOTTVの映像はワンセグの約10倍の高画質だという。
番組もTwitterやFacebookと連動した「ソーシャルトークラウンジ」や、視聴者参加型のクイズ番組、テレビ局と共同制作したオリジナルドラマなど、マルチメディア放送ならではのコンテンツを配信する。また24時間のニュース番組も提供するため、災害時などでもすぐに情報を得ることができる。料金は月額420円で、一部のプレミアムコンテンツは追加料金を支払うことで視聴できる。
会見に臨んだmmbi代表取締役社長の二木治成氏は、NOTTVの拡大には「利用しやすい料金と魅力的な番組・コンテンツ」「サービスエリアの早期構築」「モバキャス対応機器の早期普及」の3つの要素が、密に連携していくことが不可欠だと説明。これらを提供することで「テレビを超えたテレビになる」と意気込みを語った。
また、NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏は、ドコモとしてNOTTVのサービスが開始される2012年4月に、スマートフォン1台とタブレット端末1台を同サービスに対応させるほか、2012年上期には対応端末をさらに5機種追加すると語る。また、ドコモショップでのNOTTVの販売促進も行っていくとした。
放送開始時のサービスエリアは、関東、東海、関西、福岡、沖縄を予定しており、世帯カバー率は約60%となる。その後は、1年目に約76%、3年目に約90%のカバー率を目指すとしている。
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