「Firefox」に最新のソーシャル共有機能を持たせようとする最初の取り組みは終焉を迎えたが、Mozillaは米国時間10月28日、第2の試みとなる「Firefox Share」の初期アルファ版を公開した。
MozillaはFirefox Shareで高い目標を掲げている。Mozillaの製品担当バイスプレジデントを務めるJay Sullivan氏は、サンフランシスコにあるMozillaの新オフィスで10月26日に行われた会見で米CNETに対し、Mozillaとしては、後に「Firefox Sync」として知られる標準搭載機能になったアドオンの「Weave」と同じように、Firefox Shareを直接ブラウザに組み込みたいと考えていると語った。
Sullivan氏は、「これは『F1』から生まれた新しい共有オプションで、同じチームが手がけているが、F1の経験を生かしたものだ」と述べた。F1は、Mozilla組織内のサブグループであるMozilla Labsを通じて約1年前に初めてリリースされたアドオンだ。
Mozillaはブラウザの機能を拡張する上でアドオンを活用したいと考えているが、共有機能についてはそのことを検討するまでもなかったと、MozillaでFirefox Engineering担当ディレクターを務めるJohnathan Nightingale氏は述べた。「われわれがFirefoxに共有機能を取り入れようとしているのは、現在では共有がごく当たり前の行動だと感じているからだ」
F1と同様、Firefox Shareは再起動不要のアドオンで、インストール時にFirefoxを再起動する必要はない。Firefox Shareは、ロケーションバーの右端に紙飛行機のアイコンで表示される。このアイコンをクリックするとドロップダウンリストが表示され、「Twitter」か「Facebook」、または「Gmail」の3つのアカウントの1つにログインするよう求められる。ここでは、Firefox Shareの設計を見直す過程で共有の選択肢が削られた。現時点でLinkedIn、「Google Apps」、Yahooは利用できず、1つのサービスで複数のアカウントを利用することもできないが、MozillaはFirefox Shareについて発表したブログの中で、これらの選択肢を復活させる計画だと述べている。
さらにFirefox Shareでは、ブラウザを実行しているOSの標準スタイルを引き継ぐとMozillaは述べている。つまりWindowsではWindows風の表示になり、Mac OSやLinuxについても、それぞれに合わせたデザインになる。
表からは見えないアドオンの仕組みも変更された。F1では、サービスプロバイダーとブラウザの間で情報をやりとりするプロキシとしてステートレスサーバを利用していた。これは「その方が高速だったからだ」と、Mozillaはブログ投稿で説明している。一方、Firefox Shareでは、クライアントサイドのみで動作する方法を採用しており、ブラウザがサービスプロバイダーと直接通信する。こうすることでMozillaのサーバを使用する必要がなくなり、潜在的なセキュリティ上の問題をある程度排除できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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