このほかにも、天板などについた傷が即時に自動修復される「スクラッチリペア」や企業向けのPCに搭載されている「離席センサ検出技術」に関する展示も行われた。スクラッチリペアは、2007年1月に開発されたもので、NECによれば「世界初」。
スクラッチリペアの市場評価は高かったが、当時の塗装はスプレーで吹き付ける必要があり、また吹きつけによるムラや異物を除去するための研磨など作業工程が複雑だったことから、日本国内での生産が必須で高いコストが課題だったという。
そこで新たにフィルムコーティング技術を開発し、フィルム化することで中国生産を可能にしたほかコストを50分の1に削減し、ネットブックにも搭載できるようにした。また具体的には明かされなかったが、新たなバージョンのスクラッチリペアを搭載した製品が登場する見通しという。
離席センサは、不在時のムダな電力を削減するためのもの。企業向けPCに搭載されており、席を離れると最短1秒で画面がオフになり、席に戻ればスリープモードから自動復帰する。これによって使用電力は25%削減できるという。
離席センサの方式は、主に赤外線を使う方法とカメラを使って人を検出する方法があるという。しかし、カメラは画像を使うため消費電力が高く、消費電力と使い勝手を検討した結果、近接センサ(赤外線)を使う方法を選んだとした。
一方で、近接センサは人の服(対象物)によって反射率が変わることから、さまざまな柄の服や素材などをテストし、苦労を重ねて製品化にこぎ着けたという。現在、この技術はすでに法人向けのPCに搭載されている。個人向けPCへの展開も検討しているが、オフィスとは部屋の広さが異なることや服装のバリエーションも広がること、コストの問題などからもう少し検証した後に導入する方針としている。
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