町の書店で電子書籍を--日書連とウェイズジャパンが今秋サービス開始

岩本有平 (編集部)2011年09月26日 19時45分
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 日本書店商業組合連合会(日書連)とウェイズジャパンは、今秋にも書店店頭で電子書籍端末を販売し、共同で電子書籍サービスを展開する。9月26日にはメディアや出版社を集めた説明会を開催した。

 今回の取り組みでは、出版社がウェイズジャパンと販売委託契約を結び、同社の提供する電子書籍プラットフォーム「雑誌オンライン+BOOKS」にコンテンツを提供する。同時にウェイズジャパンは、日書連に加盟する書店に対して電子書籍リーダー「ISTORIA」を納品。書店がISTORIAをユーザーに販売する。ISTORIAにはそれぞれ固有のIDが割り振られており、ユーザーが同リーダー向けに電子書籍を購入した際、ユーザーがISTORIAを購入した書店に売り上げの一部がロイヤリティとして分配される仕組み。

  • サービスの概要

 日書連会長の大橋信夫氏は、「電子書籍はあたかも黒船のように恐れられてきた。2010年は電子書籍元年と言われたが、どうも(業界が)動かない。動かないほどおっかないと思われるが、日書連では書店の店頭でも電子書籍を扱おう、敵に回すのでなく商売の糧にしていこうとなった」と説明。ウェイズジャパンとは約1年の意見交換を行い、今回のサービス開始に至ったという。「(出版社には)これまで通り紙の本も出してほしい。電子の書籍も紙の書籍も引き続き出していただきたい」(大橋氏)

 また日書連 電子書籍対応部会の部会長である鶴谷祿郎氏は、地方の書店においては「欲しいときに欲しいものが来ない」という物流上の課題があったと説明。「書店が何で疲弊しているのか? 物流が満足できる状態になっていない。一方でウェブサイトが隆盛し、このままでは書店は消えていく。物流だけの問題ではないが、我々が望む形で(電子書籍を)取り入れていけないか。電子書籍の試し読みによって、紙や電子書籍の売り上げが伸びるのではないか。これからの可能性を信じて取り組んでいきたい」(鶴谷氏)と、サービスへの期待を寄せた。

 今秋にもコミックを中心とした約1万5000点のコンテンツを用意してサービスを開始する。2012年春には文芸書など、あわせて5万点のラインアップを目指す。書店では、電子書籍専用の展示台や什器を用意。実際にデモ機を展示し、コミックなどコンテンツとのセット販売を行う。サービス開始時点でISTORIAを販売する書店の数は現在未定。

 ISTORIAは800×600ドット、16階調グレースケールの電子ペーパーを搭載する端末。Wi-Fi b/gに対応するほか、SDカードやPCとの直接接続でデータを読み込む。予定小売価格は1万9800円だが、「量販店のように(電子書籍リーダーの)端末を売って書籍はおまけというのではなく、むしろ書籍を買えば端末は0円に近くなるように、安価にしていく」(ウェイズジャパン代表取締役のアラム・サルキシャン氏)という。

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