だからどうだというのだろう?フリーランスになれば目の前の仕事に専念できるため、生産性が向上するというのは神話である。実際のところは、フリーランスになると労働時間が増加するため、生産量が増えるだけなのだ。しかも残念なことに、残業手当というものは存在しないのである。
筆者の好きなこと:孫の相手、ガーデニング、森の中を散歩しながら子どもたちにすべてのヘビが悪者ではないと教えること(いや、これは筆者の恋人募集用のプロフィールではない)。IT関係の仕事による収入があるからこそ、筆者は孫の喜ぶようなものやガーデニングに必要なものを買うことができるのだ。ただ、誤解しないでもらいたい。IT業界においてフリーランスで働いており、その仕事を心底楽しんでいるという人は筆者の周りにもたくさんおり、筆者自身もその1人である。とは言うものの、彼らのほとんどは、IT関係の仕事に情熱を持っているためではなく、市場価値の高いスキルを有しているがために、この業界に身を置いているのである(情熱という言葉とITという言葉は、同じ文章の中で用いるべきではない)。
筆者は自らのスキルの可能性(そして限界)を念頭に置き、前向きな姿勢で仕事に取り組むようにしている。この点は筆者の強みであるが、会社勤めをしていたとしてもその姿勢は変わらないだろう。つまり、フリーランスで働くかどうかという話ではなく、筆者自身の性分に起因する話というわけだ。
筆者はのぞき趣味などないため、この神話を真っ向から否定することはできない。しかし筆者自身は、病を押して仕事をする時(つまりは仕事熱心というわけだ)以外、パジャマ姿で働くことなどない。パジャマ姿で働いているというジョークを言うことはあるが、あくまでもジョークである。筆者は歯を磨き、服に着替えるというけじめをつけたうえで1日の仕事を始めるタイプなのである(ただし、鳥の水浴び台に水を注ぐ時にはパジャマ姿だ。近所で囁かれている噂はウソではない)。
フリーランスで利く自由というのは、無一文になる自由しかない(これは筆者だけが主張していることではない。筆者自身も何度も耳にしている)。とは言うもののフリーランスになれば、作業習慣を微調整する程度の自由は手に入れることができる。日の出から日没まで働くこともできれば、日没から日の出まで働くこともできる。また、月曜日から日曜日までを1週間として働くこともできれば、火曜日から月曜日までを1週間として働くこともできる。フリーランスで働く場合、すべては自らの選択となる。ただ、その選択の結果が自身にはね返ってくるだけである。
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