UPDATE Appleは米国時間8月24日、同社最高経営責任者(CEO)で共同創設者のSteve Jobs氏がCEOを辞任することを発表した。後任は、同社最高執行責任者(COO)Tim Cook氏。同社の声明によると、Jobs氏は会長に選任されており、Cook氏は取締役会に直ちに加わるという。
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Jobs氏は過去数年、健康上の問題に悩まされ、医療休暇を何度か取っていた。Jobs氏は1月、最近において3度目になる期間未定の医療休暇を取っており、日常業務をCook氏に任せていた。
Jobs氏は2009年1月、ホルモンバランスが崩れ、特定のタンパク質を吸収する機能が低下していることを明らかにした。同年4月には肝臓移植手術を受け、7月上旬に職務に復帰している。それ以前にも同氏は2004年8月、すい臓がんの手術を受け、休職を余儀なくされていた。
Jobs氏はAppleの取締役とAppleコミュニティーに宛てた別のメッセージの中で、もはやCEOの職務を果たすことができなくなったと述べた。
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「AppleのCEOとしての義務や期待に応えることができなくなる日が来たら、皆さんに真っ先にお知らせするとわたしは常に話してきた。残念ながら、その日が来てしまった」(Jobs氏)
Jobs氏は最後に、「前途にはAppleの最も輝かしく、革新的な日々が待ち構えて」おり、取締役会が許す限り、Appleの取締役会長、ディレクター、従業員として貢献することを楽しみにしていると述べた。
Jobs氏は1980年代中頃~1990年中頃の間、経営スタイルをめぐる取締役会との衝突がきっかけで、Appleから離れていた。1997年にAppleに復帰してからは、Steve Wozniak氏と共同で創設した同社の再建に取り組み、倒産寸前の状態から世界で最も影響力のある家電製品企業に甦らせた。銀行に760億ドル以上の資金を持つAppleは現在、ExxonMobilに次いで世界第2位の時価総額を誇っている。8月には一時的にExxonMobilの時価総額も抜いた。
Jobs氏は「Mac」シリーズのデスクトップとノートブックの枠だけに留まらず、「iTunes」と「iPod」を発表して、同社をエンターテインメント企業に転換した。さらに「iPhone」によって、同社は代表的な携帯電話メーカーにもなった。2010年にはタッチスクリーンの「iPad」を発表して3つめのモバイルデバイスカテゴリを作り出し、大成功を収めた。このところAppleの全てのライバルは、その成功を何とか再現しようとしている。
現在50歳のCook氏は1998年にAppleに入社し、2004年に最高執行責任者(COO)に昇進した。同氏はかねてよりJobs氏の右腕的な幹部社員で、株主総会やウォール街の投資家への収支報告を統率したり、製品発表会でAppleの顔を務めたりした実績がある。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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