ソーシャルゲーム分野の新参企業であるAgincourt Gamingは米国時間8月17日、ZyngaがAgincourt Gamingの特許2件を侵害しているとして、訴訟を提起した。
公式サイト上で「Pantheon」と呼ばれるFacebookゲームへのリンクを提供しているAgincourt Gamingは、ウェブのソーシャルネットワークゲーム開発企業の1つであるZyngaに対し、金額不明の損害賠償金の支払いと恒久的差し止め命令を求めている。Zynga関係者にコメントを求めたが、すぐに回答を得ることはできなかった。
ソーシャルゲーム分野に注力するAgincourtによると、同社は「1996年までさかのぼって優先権を主張し、クレジットベースのオンラインゲームのプロセスとゲームプレイの結果に基づく賞品引き換えシステムを対象に含む基本特許を保有している」という。
今回の訴訟はデラウェア州の米連邦地方裁判所で提起された。
Agincourtの訴状のコピーを見ると、同社は「FarmVille」「Mafia Wars」「FishVille」「Zynga Poker」などのゲームが同社特許を侵害していると主張している。
Agincourtは訴状の中で、Zyngaが急速な成長を遂げていること、そしてFacebook上で公開されているZyngaのさまざまなゲームには、6月時点で月間2億7000万人以上のアクティブユーザーがいたことを指摘している。
「しかし、Zyngaの著しい成長をけん引しているのは同社自身の発明物ではない。ほかのゲーム開発者の創造的なアイデアとゲーム設計を模倣した後、自らの市場力を行使してそれらのゲームの元々の開発者を強引に排除するのがZyngaのビジネスモデルであることは、広く伝えられている。メディアで報じられてきたこうした模倣ビジネス戦略の流れの中で、ZyngaはAgincourt Gamingの知的財産権も侵害してきた」(Agincourtの訴状)
Zyngaが先頃、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、同社は自社価値を110億ドルと評価している。
昨今の特許訴訟の急増はさまざまな議論を巻き起こしており、特許法の改正を求める声が高まっている。だが、Zyngaも自らの知的財産を保護するために訴訟を起こしてきた。同社は6月、ブラジルのソーシャルゲーム開発企業VostuがZyngaの大半の人気ゲームを模倣しているとして、著作権侵害訴訟を提起した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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