日本マイクロソフトは8月12日、最新のWindows Phoneに関する説明会を開催した。7月27日に日本初となるWindows Phone 7.5(開発コード名:Mango)を搭載した「IS12T」(富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製)を発表しており、9月以降にKDDIから販売される見通し。
日本マイクロソフト業務執行役員コミュニケーションズ パートナー統轄本部長の横井伸好氏は、「発表会以降、大きな反響がある。Windows 7の発表と同等規模の非常にポジティブなフィードバックや意見をいただき、力強い感触を得ている」と語る。
これまで国内で展開してきたWindows Phone(Windows Mobile)と同様に“Windows”を冠する。「これまでの進化形だと考えるかもしれないが、別ものだとご理解いただきたい。今の時代に求められるスマートフォンの機能を考えなおしたものがWindows Phone 7で、最新のMangoでいよいよ日本語にも対応した」と語り、従来とは一線を画す製品であることを強調した。
開発にあたっては、スマートフォンとはなにか、電話は何のためにあるのか、1人で複数のメールアドレスを持つ時代に、どうしたら多種多様なコミュニケーションをいかにスマートにできるかなどを考えなおしたと語った。
開発にあたって注力したポイントは、(1)人を中心としたコミュニケーション、(2)最強のクラウド端末、(3)新しい使いやすさと軽快さ、(4)プラットフォームエコシステムの4点とだという。
OSにソーシャルメディアをビルトインし、アドレス帳とリンクさせることで、どのアプリ・サービスを選ぶかではなく、「誰と」コンタクトするかに重きを置いた設計にした。コンタクトしたい人を選び、メールかTwitterかなど、どの手段にするかを選択することで、スムーズにコミュニケーションできるよう設計されている。
端末は、ネットワークにつながっていることを前提にデザインした。クラウドを意識させずに、「Windows Live」「Office 360」「XBOX LIVE」などさまざまなサービスといかに親和性を高めるかに注力したという。ビルトインするSNSサービスはWindows Live、Facebook、Twitter、Linked Inの4つ。さらに、25Gバイトの無料ストレージが利用できる「SkyDrive」ともリンクする。「最初の設定は必要だが、それ以降はケータイなのかクラウドなのかあまり意識せず使える」としている。
「メトロ」と呼ばれるユーザーインターフェースは「もっとも(開発に)時間をかけた」(日本マイクロソフト エグゼクティブプロダクトマネージャの石川大路氏)としており、言語がわからなくても目的にたどり着けるように作り込んだという。
スタート画面は、「タイル」と呼ばれる四角いアイコンで構成されているが、アプリのアイコンとしての機能だけでなく、ウェブのショートカットとしての機能やお気に入りの画像などを貼り付けることもできる。
日本語の対応にあたっては、「日本語10キー入力」として「マルチタップ」「フラワー」「フリック」「カーブフリック」の4つの入力方法に対応している。苦労したのは、タッチ入力の判定のチューンアップだという。社内のスタッフを中心にテストし、親指、人差し指など入力の指によるクセの違いなどを調べた。今後はテキスト入力の速さを競うアプリ「Text Text Revolution」を日本語対応し、将来のフリック入力に向けたチューニングに役立てたいとしている。
なお、Windows Phone 7はある程度のハードウェアの仕様を規定することで、どの端末を使ってもある一定のパフォーマンス以上がでるように設計されているため「どの端末を使ってもなめらかに使える」とのことだ。
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