NTTドコモは7月29日、2012年3月期第1四半期(4~6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比3.9%減の1兆472億8900万円、営業利益は同11.3%増の2677億1500万円、純利益は同11.7%増の1587億4800万円となった。
移動通信事業における音声収入や端末の卸売単価が減少したことが響き減収したが、経費の効率化を継続したことが奏功して営業費用を圧縮できた結果、営業利益は増加した。
ARPU(1契約あたりの月間平均収入)は、スマートフォンの普及にともないデータARPUが増加したものの、音声ARPUの低減を補えず前年同期比4.4%減の4960円となった。
スマホ販売数700万台も視野に
第1四半期のスマートフォン販売数は130万台となった。NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏によれば、7月28日時点での販売数は200万台を超えているという。その内訳として、6月23日に発売された「Galaxy S II SC-02C」が33万台、6月24日に発売された「MEDIAS WP N-06C」が21万台、7月9日に発売された「Xperia acro SO-02C」が23万台売れていると説明した。
山田氏は、4~7月の約4カ月でスマートフォンを約200万台販売していることから、2011年度の目標として掲げている600万台を超えるのではないかとの見方を示す。「こういう勢いだとあと100万くらいという余力はある」(山田氏)
スマートフォン利用者の拡大に向けた取組みも引き続き進めていく。ドコモのスマートフォンのタッチ&トライやカスタマーサポートが受けられる「スマートフォンラウンジ」を、4~5月に札幌、京都、梅田、神戸に開設したほか、ドコモショップではビギナー向けのプログラム「スマートフォン教室」を実施している。
フィーチャーフォン向けに提供しているiモードサービスのスマートフォン対応も進めており、6月22日には「iチャネル」が、6月29日には「メロディコール」がスマートフォンに対応した。また、冬にはiモードのコンテンツ課金や認証の仕組みを導入する予定だ。
2010年12月に開始したLTEサービス「Xi」の契約者数は、2011年6月末時点で12万1000人。ドコモでは、7月に新たに全国主要6都市(札幌、仙台、金沢、広島、高松、福岡)にエリアを拡大したほか、秋にはXi対応のタブレット端末を、冬にはXi対応のスマートフォンを発売する予定。これらの取組みより、2011年度に100万契約を、2014年度には1500万契約を目指すとした。
3Gは当面定額制を維持
スマートフォンユーザーの拡大にともない懸念されているのが、急増するデータトラフィックだ。ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は7月28日の決算会見で、「いずれは日本でも定額制を見直す時期がくる」と語っている。
山田氏は、ドコモが実施しているデータトラフィックへの対策として(1)LTEサービスの拡充、(2)3日間のパケット通信量が300万パケットを超える定額プラン利用者への通信制限、(3)WiFiやフェムトセルによるトラフィックオフロード、を挙げる。また料金については、通信量の多いヘビーユーザーはXiへ移行していくと考えられることから、当面は3Gの定額制を維持していくと説明した。
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