ソフトバンクは7月28日、2012年3月期第1四半期(4~6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比9.0%増の7642億3700万円、営業利益は同12.3%増の1758億2500万円、経常利益は同19.2%増の1512億3000万円、純利益は同387.6%増の947億9100万円となった。
移動体通信事業が好調に推移したことで、連結ベースでの増収増益となった。また、純利益はソフトバンクの持分法適用関連会社である中国のRenrenが5月にニューヨーク証券取引所へ上場したことに伴い持分変動利益を計上したことによる特別利益などで、前年同期比約5倍となる過去最高益を記録した。ソフトバンクは今期の決算でKDDIの純利益(719億円)を逆転している。
第1四半期のARPU(1契約あたりの月間平均収入)は、前年同期から80円減少の4210円となった。そのうち基本使用料+音声ARPUは、通話機能のない端末の増加や事業者間接続料金の改定などにより、前年同期から260円減少し1780円となった。データARPUは、iPhoneの契約者数が引き続き増加したことで前年同期から190円増加し、2440円となった。
スマートフォンの販売も好調で、現在はiPhoneの新規契約者の半数が女性だという。ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、同日の会見で「女性比率が5割を超えたとき、もはやそれはブームの製品ではなくその国の文化になったということを意味する」と語り、Android端末を発売するとしながらも、ソフトバンクモバイルの主力製品は今後もiPhone、iPadであり続けるとした。
また、孫氏は2020年までに累計契約数を4000万回線にすると目標を掲げる。「私がいままでコミットしたことで達成できなかったことはほどんど記憶にない。そのくらい自分の言葉には責任を持たないといけないと思っている。4000万ユーザー突破をこの何年かのうちに必ず実現させる」(孫氏)
定額制を見直すべき時期がくる
設備投資も引き続き強化していく。ソフトバンクでは、2011年と2012年の2年間で1兆円の設備投資をすると発表している。孫氏は「ごたくはいいから早く電波をつなげとTwitterにいつも書かれている」とコメント。また電波の改善には、設備投資に加えて、周波数帯の再編によって空きが生まれる900MHz帯の割り当てが何としても必要だと説明した。
「とにかく意地でもつなげてみせる。必ず何年かのうちには『そういえば昔はソフトバンクの電波はあまり良くなかったなぁ』と笑い話にできる状態にしたい」(孫氏)
また、世界的なスマートフォンユーザーの急増にともない浮上しているのが増え続けるトラフィックの問題だ。ついに米Verizon Wirelessは7月7日から、スマートフォン向けのデータ通信プランの定額制を廃止し従量課金へと移行した。
孫氏はこの動きについて「ソフトバンクでも注視している」と語る。また、現在の定額制では、ごく一部のユーザーが大量に通信を行いネットワークの大半を占領している面があることから、いずれは日本でも欧米のように定額制を見直すべき時期が来るとの見方を示した。
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