日本HP、コンテナ型データセンター事業に参入--水冷方式でPUEは1.25

富永恭子 (ロビンソン)2011年07月28日 18時34分

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月28日、コンテナ型データセンター「HP Performance Optimized Datacenter(POD)」と、HP POD導入のコンサルテーションから導入作業、保守までをカバーする「HP PODプレミアムサービス」の発売を開始したことを発表した。POD設置で必要になる建屋や基礎建築、電源敷設、無停電電源装置(UPS)などの設備まで包括的に提供するため、竹中工務店と協業することもあわせて発表している。

 今回発表した「HP POD 20c」は20フィートのコンテナ型データセンターで、外気温度の影響を受けることが少なく、安定してIT機器を冷却できる水冷方式を採用。データセンターの効率を示す電力使用効率(PUE)は1.25と、従来のデータセンターと比較し37%以上の電力使用効率改善を実現しているという。

 POD 20cは、20フィートのコンテナの中に高さ50U(1Uは4.4cm)のITラックを10本設置可能で、1Uラック型サーバを最大で500台搭載できるという。IT機器の稼働に必要な電源として、最大290KWの電源を提供することが可能だ(別途外部からの電源入力が必要)。多数のIT機器を搭載できるため、業界最高水準の実装密度を実現するとしている。

 HP PODプレミアムサービスは、コンテナ型データセンター導入のための総合ソリューションサービス。「HP/竹中データセンターアジリティサービス」「HP PODスタートアップサービス」「HP POD保守サービス」から構成されており、ユーザーはそれぞれのニーズにあわせて、最適なサービスを選択できるという。

 HP/竹中データセンターアジリティサービスは、日本HPが竹中工務店の協力を得つつ、施設とITを1つのパッケージで提供するサービス。ユーザー側の施設管理部門とIT部門、建設会社とIT企業の連携がうまく行われないことから起こっていた、スケジュールのズレ、床荷重、電源供給能力など設備面での不整合、工期の長期化とコスト増などを解決するという。

 同サービスは、HPのデータセンターファシリティコンサルティングであるHPクリティカルファシリティサービスと竹中工務店の施設建設に対するノウハウを融合したもの。サービスをテンプレート(雛形)化することで、従来必要としていた約24~36カ月というデータセンター開設までの工期を最短6カ月に短縮可能だとしている。

 HP PODスタートアップサービスは、POD稼働に必要な空調や電気、制御システムや各種計測機器のセットアップに加えて、PODとIT機器の稼働確認と動作確認までを含めたサービス。ユーザーはPODの稼働からPODに大量に導入されるIT機器までを迅速かつスムーズに使用開始できるという。

 日本HPと竹中工務店の協業では、日本HPがビジネス要件を充足するためのデータセンターとIT機器の設備・設計に関するコンサルティングを実施。並行して竹中工務店が既存資産を評価して、日本HPのコンサルティングに基づきPOD関連施設の建設や設備の設計・施工を行うという。関連建屋、設備が完成した後は、日本HPがIT機器を設置し、周辺設備については竹中工務店が保守を担当する。日本HPと竹中工務店両社が機能的に連携することで、データセンターの企画から設計、施工、保守まで、トータルにサポートするとしている。

 コンテナ型データセンター製品「HP POD」の提供価格はオープンプライス。HP PODプレミアムサービスの提供価格は、HP/竹中データセンターアジリティサービスが個別見積、HP PODスタートアップサービスは1台目が1480万5000円、2台目以降が882万円。HP POD保守サービスの提供価格は年間910万3500円となる。

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