「これはハードウェアのない『Square』だ」。Jumioの最高経営責任者(CEO)であるDaniel Matte氏は同社の新しいクレジットカード処理システムについて、そう説明した。同システムは、コンシューマーデバイスに搭載されているカメラを使ってクレジットカード情報を読み取り、実際のカード自体の真正性と存在を確認する。
Matte氏によると、同システムを利用することで、ユーザーは時間を節約できる(Jumio対応サイトで決済を行う際、クレジットカード番号を手で入力する必要がない)ほか、詐欺行為も防止できるという。同システムは、自らが読み取っているカードが本物のプラスチックなのか、カード番号が浮き上がっているか、さらにはカード上のホログラムが本物かどうか、ということまで確認できる。Jumioはクレジットカード番号を盗むという犯罪モデルを破壊する、とMatte氏は言う。今後、犯罪者はカード自体を所有することが必要になる。あるいは、ウェブカメラをだますテクノロジソリューションを開発しなければならない。
暗号化された動画ストリームを送信するので、キーロガーも通用しなくなる。
将来的に、Jumioは運転免許証のような追加トークンを使って、クレジット決済を認証できるようになるかもしれない。最終的には、顔認証にも対応する可能性がある。
同サービスは現在、コンピュータのウェブカメラにアクセスする「Flash」ベースのアプリケーションを通して機能している。今後、モバイル版も登場する予定だ、とMattes氏は話す。
クレジットカードをカメラにかざすことの方が番号を入力することよりも楽なのは、疑いの余地がない。ほぼ全ての点で、セキュリティも優れている。
Jumioはクレジットカードシステムの利便性とセキュリティを向上させるほか、コンシューマーおよびクレジットカード企業による大規模なインフラストラクチャや行動上の変化を不要としているという大きな利点も有している。しかし筆者は、クレジットカードというコンセプト自体が時代遅れで、廃止されるべきだと言いたい。皆さんも自問してみてほしい。もしあなたが今日、新しいコンシューマー向け決済システムを設計するとしたら、物理的なトークンに刻印された、静的で人間が読み取れる番号をそのシステムの基盤にするだろうか。Jumioのようなテクノロジは、この一昔前のアーキテクチャの欠陥を取り繕う(そしてその過程で莫大な利益を上げる)ことができるが、本来なら今は金融アカウントへのアクセスを認め、金融アカウントに対する詐欺行為を防止する新たな方法を導入すべきときである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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