NECは、家庭内の電力利用量や電気料金を可視化できる、家庭エネルギー管理システム(Home Energy Management System:HEMS)を住宅メーカーや工務店などを対象に8月1日から販売することを発表した。
HEMSは、スマートハウスの中核技術を活用したシステム。家庭に設置されている分電盤のブレーカごとにセンサを取り付けることで、部屋単位の電力消費量から太陽光発電システムの発電量、電力系統網との買電量や売電量なども家庭にあるPCの画面上で電力利用量を可視化できるという。
同システムは、電力測定装置と情報収集装置の通信に無線を使っているため、面倒な配線が不要であるほか、小型の電流センサでブレーカごとに測定するため、家庭内で使用している家電製品や分電盤のメーカーを問わず利用できるという。電力測定装置を設置するためのスペースがあれば、新築でも既築でも設置できるとしている。電力測定装置とデータを集める情報収集装置間の通信には、特定小電力無線(950MHz帯)を利用しているため、電子レンジや無線LANなどの電波の影響を受けにくく、安定した通信が可能だという。
地域、季節、時間帯などで変動する電力会社の料金体系についても、これらの料金情報を定期的にクラウド側で管理することで、常に最新の情報を提供。HEMSのモニタ画面上では、消費電力「量」に加え、消費電力「料金」も表示するため、当日分や日別、月別、年別の各電力利用量が分かることで、より正確な料金を把握でき、節電意識を高められるとしている。
家庭のPCでブラウザを通じてHEMSのデータサーバにアクセスし、クラウドを利用して利用量などのデータから統計管理、傾向分析など様々なサービスの利用が可能だ。専用のモニタを設置する必要がないため、初期コストを抑えられるという。NECでは、将来、HEMSと蓄電システムや防犯見守りサービスなどとの連携を予定しており、ライフスタイルの変化で機能拡張やサービス拡張できるホームインフラを目指す。
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