富士通は7月21日、NTTドコモから発売予定のスマートフォン「F-12C」に関する説明会を開催した。F-12Cは5月に2011年夏モデルとして発表された製品で、英国の老舗トラベルケースブランドであるグローブ・トロッターとのコラボレーションを特長とする。7月~8月に発売予定で価格は未定だ。
今回新たに、10月~11月をめどに、グローブ・トロッターのトラベルケースで使われているヴァルカン・ファイバーを使用したリアカバーが付いたスペシャルモデルを発売することを発表した。スペシャルモデル専用のリアカバーはシリアルナンバー入りで、限定5000台。このほかに、通常素材を使用した「Classic Orange」のカバーも付く。ドコモオンラインショップ限定で販売される。価格は未定。
ヴァルカン・ファイバーは、特殊な紙を何層にも重ねてコーティングした素材で、軽量ながらも軍用品として使用されるタフさも兼ね備えているのが特長だ。グローブ・トロッターはエリザベス女王や故ダイアナ妃のハネムーンにも使用されるなど、伝統あるトラベルケース。
発表会は英国大使館公邸で行われ、駐日英国代理大使であるデーヴィット・フィトン氏は「2012年はロンドンオリンピック。機会があれば、F-12Cとグローブ・トロッターのスーツケースを持って来てほしい」と挨拶した。
F-12Cは、約3.7インチの高精細スーパークリア液晶を搭載し、厚さは約9.9mmと薄型ながら防水機能を備えている。四隅にはグローブトロッターと同じデザインテイストを取り入れ、カバンの角のデザインをスマートフォンでも表現している。OSのバージョンはAndroid 2.3、おサイフケータイ、赤外線、8.1Mカメラを搭載。重さは約110gだ。
企画する上で最も重視したのは「幅広いお客様に受け入れられるスマートフォン」(富士通 モバイルフォン事業本部 本部長 髙田克美氏)だという。見やすい液晶や聞き取りやすい音声テクノロジを取り入れ、「見る」「聞く」「話す」という基本的な部分を強化したほか、音声で呼び出して使えるメールやスケジュール機能なども搭載し、初めての人でも使いやすい操作性を実現した。
グローブ・トロッター 日本支社長の田窪寿保氏も登壇し、「目指したのは100年ケータイ。普遍的なデザインは100年もってしまうもの。バルカンファイバーは軽くて丈夫。携帯電話もいろいろ電話がでているが、ずっと続くのは普遍的なデザインなのではないか。カンタンなようで難しく、ここにくるまで2年かかっている」と説明した。
5000台の限定モデルは「なぜハンドメイドか。バルカンファイバーを曲げるところが一番むずかしい。200度の熱を使って手で曲げる。この曲げた後に暴れを防ぐためにリベットを打っているのが最大の特徴。デザインで付けているわけではなく、機能として付けたもの」(田窪氏)。
また限定モデルについて髙田氏は、「ドコモに納める上では堅牢性が必要になる。紙の素材やプラスチックの素材を評価することにも苦労した。興行的にはなんとか機械で出来ないか考えたが、形状を仕上げるのは手作業になった。傷を付けないように仕上げるのが大変だった」と苦労を語った。
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