ヤフーCUが失敗した理由、LinkedInが成功する根拠--伊藤穰一氏に聞いた - (page 3)

鳴海淳義 (編集部)2011年07月05日 17時36分

--最近、Facebookがリクルートと提携して、実名の利点を生かしたサービスを開始しました。この2社は競合になるのでは。

 そういう使い方もあるが、結局Facebookの一番の用途は写真の共有。前の晩の飲み会の写真にタグを付けて、みんなで共有する。本当に写真共有のためのサイト。次はたぶんゲーム。Facebookはソーシャルな付き合いと暇つぶしでできている。そのなかでビジネスもできるが、自分の上司に前の日の飲み会の写真を見られてもいいのか。Facebookは何でもできてしまうが、ちょっと遊び寄りなんですよね。

 Facebookを仕事に使おうとする人も中にはいるが、米国みたいに使い慣れてくると、飲み会の場でFacebookの友達にならないと気を悪くする人たちなんかが現れる(笑)。うまく使い分けるのが一番器用なやり方。いろいろなネットワークを無理やり混ぜようとするとトラブルが起きると思う。

--いま日本のFacebookユーザーはプライベートの友達も仕事の知り合いもフレンドに入れていることが多いと思います。もしLinkedInが広まると、仕事つながりの人はLinkedInに移行して、プライベートの友達はFacebookでつながるというふうに使い分けることになるのでしょうか。

 そうですね。でも人によるとは思います。プライベートとビジネスを分けている人たちは、FacebookとLinkedInを使い分けると思う。僕の知り合いで、Facebookでは更新情報を見られたくない人をかたっぱしから消してしまった人もいる。日本人はまだFacebookを使い始めたばかりだけど、米国では新聞にも事件が出ています。どこかで素っ裸で走ってる写真がFacebookでタグ付けされて、子供たちに見られてしまったとか(笑)。そういうケースがちょこちょこ出ているから、みんな気をつけてFacebookを使っている。LinkedInは全然違って、ビジネスで紹介できないような人たちとはつながらない。違う意味で気をつけて使っている。いろいろな種類のネットワークをきれいに使い分けるのが重要だと思う。

--SNSは1個あれば十分という考え方もあると思いますが、プライベートとビジネスという2つのSNSは共存できそうですか。

 人によるとは思います。まったくビジネスをやらない人もいますし、まったく遊ばない人もいるだろうし。でも遊びもビジネスもやる人は2つ使うことになると思います。携帯電話を2つ持つよりは楽なんじゃないですかね(笑)。いまプライベートとビジネスで携帯電話を2つ持っている人がけっこういますよね。

--最近、私は各社の広報担当の方からFacebookのメッセージで取材依頼や会見の案内、プレスリリースなどをもらっています。そういうやりとりは今後、LinkedInでなされるようになるということですか。

 そうなるでしょうね。検索もLinkedInの方が使いやすい。たとえばドイツにゲームと医学に関する知識のある人はいないか探していたとしても、LinkedInであればすぐに検索できる。ジャーナリストが取材先を探すためにできているようなツールかもしれません(笑)。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]