一般財団法人 教育支援グローバル基金は6月30日、東日本大震災で被災した若者を支援するプロジェクト「ビヨンドトゥモロー」を今秋に開始することを発表した。
ビヨンドトゥモローは、震災孤児や遺児をはじめとした被災度合いの高い若者が、次世代を担うリーダーやスペシャリストになるための支援プログラムを提供する。主なプログラムの内容は以下の通り。
対象領域は社会科学、人文科学、漁業、農業、スポーツ、芸術、音楽など幅広い分野を想定している。国内の大学に進学する「ジャパンプログラム」、東北地方復興のために求められる建築、漁業、農業などでの専門性を身につける「地域コミュニティプログラム」、スポーツ、芸術、音楽などの専門分野で活躍する人材を目指す「スペシャリストプログラム」、海外の大学やポーティングスクールに進学する「グローバルプログラム」の4つのコースに分かれる。対象者は現在高校に在籍中で、大学進学を希望する若者。
教育支援グローバル基金は若手の経営者、政治家、社会起業家など二十数名によって6月1日に設立された。メンバーの多くは世界経済フォーラムによって選出されたヤング・グローバル・リーダーズであるという。共同代表理事はTwitter日本代表、一橋大学客員教授の近藤正晃ジェームズ氏、オイシックス代表取締役社長の高島宏平氏、シンクタンク・ソフィアバンク副代表、社会起業家フォーラム副代表の藤沢久美氏、ウィルシード代表取締役社長の船橋力氏。
教育支援グローバル基金事務局長の坪内南氏は、東日本大震災以降に求められるリーダー像について次のように述べた。「困難な環境から生まれるリーダーは、他者に対する共感を持ってほしい。日本はこれまで恵まれており、世界には困っている人が多くいるという現実を感じにくかった。いま予期しない形で日本も難しい環境におかれ、他者に思いを馳せることができるようになった。これを契機に遠く離れた戦争や、自分と違った環境にいる人たちのことを思いやれるようになればいいと思う」。
ビヨンドトゥモローの運営に必要な資金は約5億円だという。たとえば海外の音楽大学に留学すると年間600万円程度かかる。東北地方の大学に進学し、寮生活を送ったとしても年間200万円はいる。これが初年度30人、翌年度40人と積み上がっていく。現在は2社の企業からの支援が決定している。うち1社は三菱重工業で、支援額は非公開。
Twitter日本代表、一橋大学客員教授の近藤氏は、「大学にも協力を呼びかけている。いまは慶応義塾大学と話しているところ。運営コストの中には学費もある。学費免除を大学にお願いしていきたい」と話した。またTwitterで学生のインターンシップを受け入れることも検討しているという。
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