私はここですごくおいしそうなハンバーグをみつけた。しかし残念ながらSnapDishは店舗情報を積極的に集めたりしていない。もし位置情報がはいってたとしても、そのハンバーグが近くにあるとも限らない。結果として私はこの日、近くのファミレスに入ってハンバーグを食べた。
「店舗を探す」と「おいしい食事を探す」という両者のコンセプトの違いは、ユーザーの投稿画面に表れている。Spoon!は情報共有のボタンをタッチすると、まずユーザーに店舗を選択させる。一方SnapDishは、まずおいしいものを撮影することから始まる。両者とも、食事の写真をよりおいしくみせられるよう、画像フィルタをかけられるなど共通するところも多い。しかしその一方で、両者がユーザーに何を提供したいのか、よくわかる。
フォーカスするポイントを店舗にしているSpoon!と食そのものにしているSnapDishとでは、当然ビジネスに関する考え方も違ってくる。両者ともビジネスモデルについてはまだ深く話す段階にないとしているが、おそらくSpoon!は店舗への課金が素直なモデルになるだろう。ユーザーが集めた情報に差し込む形で有料の告知が始まるのは至って自然だ。
ではSnapDishはどうなるだろうか。ヒントは大量に登録されている「キャラ弁」などの家庭料理と彼らのサービス展開がグローバルだいう点――つまりマーケティングモデルだ。たとえば、世界のキャラ弁がタグで集められ、「濃密な」ユーザーコミュニティが存在することが分かれば、そこにアプローチしたいという食品企業はでてくるかもしれない。それも世界規模で、だ。
では冒頭のこの答えを両者は出してくれただろうか。レビューを読んでいただければわかるとおり、どちらも「大正解!」とまではいかないが、キチンと食べたいものを食べるというところまでは連れていってくれた。
私たちはこれまでぐるなび、食べログといったサービスを中心にいろいろなお店を探してきた。最近ではグルーポンなどのチケットで新しいお店を発見することもある。
そして今、モバイル、スマートフォンという新たなプラットフォームは「食の写真」をキーに新たな「おいしいもの探し」の方法を私たちに教えてくれようとしているのかもしれない。
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