ThinkPad史上最薄の16.5mmを実現するテクノロジ--ThinkPad X1開発者が語る

 レノボ・ジャパンは6月21日、レノボ史上最薄のモバイルノートPC「ThinkPad X1」について技術説明会を開催した。ThinkPad X1は、最薄部16.5mmのスリムなノートPCで、液晶サイズは13.3型ワイド、重さは1.69kgだ。レノボ大和研究所の開発者らが薄型化を実現するための技術や苦労した点などを語った。

 ThinkPad X1はこれまでのノウハウをもとに「新しいテクノロジを取り入れた製品」(ノートブック開発研究所研究開発統轄担当の田保光雄氏)と自信を見せる。

 レノボは2010年1月、小規模企業や個人に向けた普及価格帯の「ThinkPad Edge」シリーズを発表している。ThinkPad X1は、このEdgeシリーズを開発したときのように、また新たなアプローチをしていくべきではないかと考え生まれたものだと明かした。

 今回のデザインコンセプトは「薄く、よりシンプルに」を追求したものだ。薄さを強調するため、ディスプレイサイドまで側面をそぎ落とした。「ThinkPadといえば黒い箱、それを極端に特徴付けした」と言う。さらに液晶はベゼルと液晶の全体をコーニング製のゴリラガラスで覆ったデザインで、薄型化と堅牢性を両立させた。さらに、新たなLEDバックライト・キーボードを採用しており、「まぶしすぎず均一のバランスで点灯できるよう、何度も変更を重ねた」という。

 ThinkPad X1は、「モバイルビジネスPC7列が必須であるとは言えない」とし、6列キーボードを採用。専有面積と重量を減らし、薄型・軽量に近づけたという。

 レノボでは、ThinkPad X1のキーボードを「アイランドタイプ」と呼ぶ。いわゆるアイソレーションタイプで、一般的なアイソレーションタイプと異なる点は、キー表面に凹状のカーブがあり、指の形に近づけている点だ。

 「(これまでの)キーボードの形は積み上げてきたひとつの到達点だったが、シンプルにしていくにはどうしたらいいか考えた」とし、四角いキートップの形を踏襲つつ、「スマイル・シェープ」と呼ばれるキートップを採用したという。米国では、ミスタッチを軽減し、「過去最高のパフォーマンス」という評判を得ているとした。

 また、キーボードは、「心地よいキーフィーリング」と「静かで心地よいキーサウンド」の2点を重視して作られたという。ベースとなっているアルミ板にプラスチック化粧フレームを熱溶着し、一体化してアルミ板の剛性を高めることで、振動を抑えた。さらに、キーボードが土台にしっかり固定されることが重要だとして、アイソレーションタイプの内部に固定機構を追加することで、キーボードフィーリングを改良したという。

 薄型を実現するために最も重要なポイントとなるのはやはり熱設計だ。「ThinkPad史上最薄で標準電圧CPU(35W)をサポートするためには、史上最薄の熱設計が必要」として、苦労した点を語った。

 ThinkPad X1に搭載されたファンは、体積大きさあたりの風量がおよそ約40%弱増えているのだという。特許の問題などにより「詳細は言えない」としながら、ブレードのスリットの入れ方や角度、先端など形状の工夫により、レノボの厳しい騒音規定をクリアし、従来よりも薄くしながら風量を多くできるようにしたと語った。

レノボ大和研究所のThinkPad X1開発者
レノボ大和研究所のThinkPad X1開発者

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