米国のオンラインディスプレイ広告市場において、FacebookがYahooを抜いてトップとなる見込みだ。
Facebookは、初期こそユーザー離れを防ぐために広告掲載を見合わせていたが、インターネットリサーチ企業eMarketerの最新調査によると、Facebookの2011年の米国におけるオンラインディスプレイ広告の純収入は80.9%増の21億9000万ドルとなる見込みだという。つまりFacebookは、2011年のオンライン広告市場で17.7%のシェアを握ることとなり、シェア13.1%のYahooを超えることになる。
「Facebookは、ユーザー数という観点からもユーザーが同サイトにとどまる時間という観点からも非常に人気があり、主にバナーのユニークさから広告のインプレッションが非常に多い」と、eMarketerで主席アナリストを務めるDavid Hallerman氏は語る。「その人気の高さから、広告主もより高値で広告を出そうとするのだ」(Hallerman氏)
今回の調査によると、Facebookはオンライン広告市場において急激に競合企業との差を広げている。同市場のトップ5企業で2番目に成長しているのはGoogleで、同社の2011年の成長率は34.4%だとeMarketerでは見ている。一方、Microsoft、Yahoo、AOLの成長率はすべて20%以下で、eMarketerが試算した同市場の総合成長率24.5%を下回っている。
2012年については、Googleのシェアが若干回復するだろうとeMarketerでは見ている。同社の予測によると、2012年のGoogleの広告収入が58.3%成長となる一方で、Facebookの成長は31.3%にとどまるという。ただしeMarketerでは、Facebookの2012年の予測は「控え目に見積もった数字」であり、8月に予測を見直す際に上方修正する可能性もあるとしている。
Facebookの成長はスローになってきてはいるものの、eMarketerの調査によるとFacebookは2012年のオンライン広告市場でシェア19.4%を確保すると見られている。Yahooのシェアは12.5%となり、Googleは2011年の9.3%から2012年には12.3%になるという。
Facebookがオンライン広告市場でトップに躍り出るのは、同社がグラフィック広告の管理をMicrosoftから引き取ってちょうど1年後となる。Microsoftは2007年、Facebookに2億4000万ドルを出資し、同社の独占的第三者広告プラットフォームパートナーとしてグラフィック広告の売上を管理していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」