日本のスーパーコンピュータが世界最速の地位を2004年以来初めて獲得した。
ドイツのハンブルグで開催のカンファレンスで現地時間6月20日に発表予定の「TOP500 Supercomputing List」によると、神戸市の理化学研究所に設置されているスーパーコンピュータ「京(けい)」が世界最速となったという。京は、毎秒8.162ペタFLOPS以上の処理能力を持ち、2010年11月に同リスト1位を獲得した中国の国防科学技術大学に設置されている「Tianhe-1A」(天河1号A)の2.67ペタFLOPSを上回った。
京は、富士通が製造しているが、同社声明によると、TOP500リストに今回登録したシステムは、現在整備途中段階のもので、672筐体(CPU数6万8544個)の構成となっているという。日本がスーパーコンピュータでトップとなったのは、2002年のNECの「地球シミュレータ」以来となる。同コンピュータは、2004年11月に最速の座を追われている。
Tianhe-1Aに続くその他上位5位は、オークリッジ国立研究所に設置される米エネルギー省の「Jaguar」(1.75ペタFLOPS)、中国の国立スーパーコンピュータセンター深センに設置される「Nebulae」(「星雲」。1.27ペタFLOPS)、東京工業大学の「TSUBAME 2.0」(1.19ペタFLOPS)となっている。
ランクインしたシステムを最も多く製造しているのはIBMで、全体の42%を占めている。続いて、Hewlett-Packardで31%、Crayが6%。設置場所別に見た場合、米国が最多で256カ所。続いて、中国が62カ所。ドイツが30カ所、英国が27カ所、日本が26カ所、フランスが25カ所となっている。
ランクインした500システムに関する詳細は、Top500.orgを参照。
編集部注: 日本国内では、2009年に行われた行政刷新会議の文部省予算仕分けにおいてスーパーコンピュータ開発の予算が削減され、参議院議員 行政刷新担当大臣の蓮舫氏が予算削減の理由として「世界1になる理由は何があるんでしょうか? 2位じゃダメなんでしょうか?」と発言していた。今回世界1となった京について、蓮舫氏に公式サイトおよびTwitter経由でコメントを求めたが、現時点で返答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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