「but」は、一般的には「しかし」のような逆接の意味のイメージが強いですが、こう捉えると不自然なケースがあります。
以下の文例をみてみましょう。Googleが5月にデジタル音楽サービスを発表しましたが、その前よりずいぶんとこのサービスに関する噂が流れたものです。
Rumors of Google kicking off a music store have been floating about for more than a year. But recent reports say the company is now close to launching its own online music service.
【原文】
Google adds e-books to Android Market
http://japan.cnet.com/news/service/20426782/
By Lance Whitney, February 25, 2011 9:10 AM PST
「but」の前の文では「Googleが音楽ストアを開始するという噂は1年以上も前から流れている」と言っていて、「but」の後では「最近の報道ではGoogleが近いうちに自社のオンライン音楽サービスを開始すると言われている」と言っています。「but」を「しかし」と逆接的にとらえるのは不自然です。
試しに英英辞典「Collins COBUILD English Dictionary」を引いてみると、以下のように書かれています。
- You use but to introduce something which contrasts with what you have just said, or to introduce something which adds to what you have just said.(仮訳:butは、直前の発言と対照的なことや、直前の発言を強調するようなことを言う場合に使います)
- You use but when you are about to add something further in a discussion or to change the subject.(仮訳:butは、話の中で何かを強調したり、話題を変えたりする場合に使います)
「but」には内容を強調したり、話題を変えたりと、逆接以外にもさまざまな使い方があるのです。
「but=逆接」と思っていると危険な例のご紹介でした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手