Mozillaは6月21日にウェブブラウザの最新版「Firefox 5」をリリースし、以降、Firefoxを6週間ごとにバージョンアップすることを発表している。年内には「Firefox 9」まで登場する計算だ。ここでは、すでにベータ版が出ているFirefox 5と、8月にリリースされるFirefox 6に搭載される新機能、そしてFirefox 7~9の見通しについて整理してみる。
Firefox 5はユーザーインターフェース(UI)に大きな変更はない。MozillaはFirefoxのリリース周期を縮めるにあたって、「Aurora版」「ベータ版」「リリース版」の3種類のバージョンを用意した。それぞれGoogle Chromeの開発版、ベータ版、安定版に相当する。Firefox 5のベータ版にはこれらの3つのバージョンを切り替える画面が搭載されていたが、リリース版ではなくなる。Mozillaはしばらくの間、Firefox 4で大きく変わったUIのフィードバックを受け続ける予定だ。
テクノロジ面ではCSS Animationsのサポート、Canvas APIのサポート改善などが行われている。またCanvasの一部処理が高速化している。Android版では「Do Not Track」というユーザー追跡機能のオン/オフ設定ができるようになっている。
Firefox 6もUIは変わらない予定。HTMLではprogressをサポートし、デザイン面ではテキストにアンダーラインを引いたりできる「text-decoration」系のスタイルや、英単語をハイフンを挟んで改行する「ハイフネーションサポート」などに対応する。
そのほか、URLバーでドメインを太字で表示したり、マイクロサマリー機能のサポートを停止したりする。Android版ではOSのテーマにあわせ、設定画面の背景色やボタンの形を調整した。
Firefox 7~9では、どのバージョンに搭載されるかは決まっていないが、いくつかの新機能が予定されている。まずはウェブアプリケーションのマーケットプレイス。これはGoogleのChrome Web Storeのようなものを想像するが、少し違う。「Open Web Apps」という名称で、文字通り、ベンダーに依存しないオープンなストアを目指す。また誰もが自分のアプリストアを開設できるようにするプラットフォームの役割も担うという。
そしてソーシャルブラウザと呼ばれる機能も搭載する予定だ。詳細は決まっていないが、FacebookやTwitter、mixiなどと深く連携するような機能になるとみられる。現在Mozillaでは「F1プロジェクト」が進んでいる。これはブラウザで表示しているページを、FacebookやTwitterにワンクリックで共有できるようにするものだ。Firefoxに組み込むことも検討しているという。そのほか、複数サイトのIDとパスワードを一括で管理する「アカウントマネージャー」や、Google Chromeのようにプロセスを分離する仕組みも搭載が予定されている。
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