日本HP、プライベートクラウド導入支援サービスを発表--「3年でクラウドビジネスを5倍に」

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は5月19日、クラウド導入支援サービス「HP CloudStart」を発表した。同時に、クラウド関連の各種ハードウェア、サービスを含めたトータルソリューションの提供を推進するための新組織として「クラウド事業本部」を新設。「日本HPにおけるクラウドビジネスを、今後3年間で5倍の規模に拡大する」(日本HP執行役員、テクノロジーコンサルティング統括本部長兼クラウド事業本部長の有安健二氏)とした。

有安健二氏 日本HP執行役員、テクノロジーコンサルティング統括本部長兼クラウド事業本部長の有安健二氏

 日本HPは、パブリッククラウドあるいはプライベートクラウド、自社所有という様々な形態を組み合わせながら最適なIT環境を構築する「HP Hybrid Delivery」ソリューションを提供している。今回発表した「HP CloudStart」は、同ソリューションにおけるひとつの製品として、インフラからアプリケーションまで、最適なプライベートクラウド環境の構築、運用の効率化を支援する新サービスと位置づけられるもの。

 「HP BladeSystem Matrix」をインフラ基盤として、プライベートクラウド環境に必要な管理ツールと構築サービスを標準パッケージとして提供。さらに、構築後の運用をサポートする構成オプションとして「HP CloudStart Network」、「HP Cloud Service Automation for Martix」なども提供する。顧客のニーズにあわせて、データ保全、監視、可用性保全、課金、管理などの機能を事前に定義し、短期間でのプライベートクラウド構築を支援できるのが特長だという。

 導入に当たっては、ワークショップを通じて、プライベートクラウド導入後の課題、問題点を明らかにするとともに、構築時に必要となる要素および機能の共有と検討を行うほか、プラベートクラウド環境構築に向けて策定したインフラ設計方針をもとに、あらかじめパッケージ化された設計パターンから最適な構成を選定し、ハードウェア到着後約30日間の短期間で、プライベートクラウドの構築が可能になるとしている。さらに、運用担当者への技術移管を支援するトレーニングも実施する。

 「HP自らの次世代データセンターでの運用を含めた国内外でのプライベートクラウド構築運用実績をもとに、クラウド環境実現に必要な機能をプレパッケージ化して提供する。最適化された構成オプションも用意している。クラウドの導入、構築における課題、クラウド環境導入後の課題を解決できる」(日本HP、テクノロジーコンサルティング統括本部テクノロジーソリューション本部インフラストラクチャソリューション部部長の榎本司氏)という。

「HP CloudStart」の概要 プライベートクラウド導入支援サービス「HP CloudStart」の概要

 一方、新たに発足したクラウド事業本部は、クラウドビジネスを推進するための専門組織となる。

 「クラウド分野において、日本HPとしての総合力を提案するための推進組織がクラウド事業本部となる。クラウド事業の拡大に向けて、ソリューションの作り込み、外部製品を含めた検証活動の強化、コンサルティングの強化などに取り組む」(有安氏)

 製品、サービス部門やマーケティング部門、コンサルティング部門などから集めた数10人の体制でスタートしており、今後、ビジネスの拡大にあわせて増員していくという。営業活動については、既存の業種別営業部門がそれぞれに行うことになる。「東日本大震災の影響によって、リスクに対する俊敏力を持った新たなITシステムが求められており、これを解決するのがクラウドとなる。今後、クラウドに対するニーズは確実に高まっていくのは明らかで、そうした動きに対応していくものになる」とした。

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