KDDIは5月17日、データ通信端末などを含む2011年夏モデルの新製品15機種を発表した。Android搭載スマートフォン6機種とフィーチャーフォン6機種、データ通信端末など3機種を合わせた15機種のラインアップとなる。
KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は冒頭の挨拶で、「“auらしさ”を大事にしている。auらしさとはわくわく感。ケータイを持ってみてなんとなくおもしろい、わくわくすることをやってくれるというイメージ、ブランドを大事にしている」と語り、今回の発表について「結構期待できるかなと自分自身は思っている」と自信を見せた。
田中氏は会見で幾度も「ガラスマ」と口にした。ガラスマとは、キャリアメールやおサイフケータイ、ワンセグなど日本独自のフィーチャーフォンの機能を持ったスマートフォンを指す。KDDIは日本独自の機能をスマートフォンに取り込むことで、ユーザーのすそ野を広げ、さらなるシェア拡大を狙いたい考えだ。
今回のスマートフォンは国内メーカーが中心となっており、すべてのモデルで緊急地震速報に対応する。「ミッドレンジ層からの要望に応えた」として、従来型のテンキーとタッチ機能を兼ね備えた「AQUOS PHONE IS11SH」(シャープ製)も登場した。
グローバルフォンをベースにしたソニー・エリクソンの「Xperia acro IS11S」でもおサイフケータイやワンセグ、赤外線通信といった国内向けの機能を取り入れており、「グローバルフォンでありながらガラスマ」(田中氏)と、国内向けの機能をアピールした。
田中氏は、「なんとかグローバルフォンにガラスマ機能を入れたいと思っている。グローバルフォンとガラスマの区別をなくして、すべてのauの定番機能を組み合わせて提供していきたい。(4月に発売した)htc EVO WiMAX ISW11HTについてもダウンロードで対応できるようにしていく」と語った。
なお、Xperia acro IS11Sは「Cメール」には発売時から対応するが、「Eメール (~@ezweb.ne.jp)」「auかんたん決済」「au one Market」は9月下旬をめどにアップデートで対応する予定。
KDDIでは、Cメール、Eメール、auかんたん決済、au one Marketといったauサービスの機能を標準搭載できるアプリケーションを開発。スマートフォンメーカーに提供することで、2011年秋以降に発売するAndroidフォンには標準搭載していく考えだ。
今後のグローバルフォンについては、「この秋に出てくる。(国内メーカーとの)割合は勘弁を。緊急地震速報も基本的には対応する」とコメント。また、WiMAX対応のモデルについても「秋にドカンと出てくるので、楽しみにしていてほしい」と田中氏は笑顔を見せた。
また、新たな戦略として、Facebookとの連携を発表した。第1弾として、ソーシャル電話帳「jibe」をリニューアルし、友人のFacebookの投稿が一覧できるほか、アドレス帳からFacebookへダイレクトメールも送信できるようにする。今後は、au oneポータルや音楽、ショッピングなどをはじめとしたサービスとFacebookを連動させ、新たな付加価値を提供するとしている。
このほかに、スマートフォン向けに公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」を6月末以降からスタートすると発表。au Wi-Fi SPOTは、パケット通信料定額サービス「ISフラット」もしくは「プランF(IS)シンプル/プランF(IS)」の契約者を対象に、無料で使えるようにするというもの。
専用のウィジェットを提供することで複雑な設定をすることなく、簡単にWi-Fiと3Gを自動で切り替えられるようにするという。
エリアは首都圏を中心に全国約1万スポットからスタートし、2012年3月末には約10万スポットと国内最大級の規模で利用できるようにするという。バックホールにWiMAXを用いることで、短期間でスポットを広げられるとしている。
フィーチャーフォン向けには、Skypeに対応させた「Skype au」を発表した。EZアプリ版を提供することで夏モデルの発売とともに順次対応する。なお、料金はパケット定額サービスに加入していれば無料としている。
なお、このほかにも洋楽を中心に100万曲が聞き放題になる「LISMO unlimited」を月額1480円で開始するほか、Wi-Fi環境で音楽映像が楽しめる「Musiclips」を月額315円で配信する。また、アプリの開発者をサポートするインキュベーションプログラム「KDDI ∞ LABO(ムゲンラボ)」を開始し、6月21日にキックオフイベントを行うとしている。
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