サンフランシスコ発--Intelは3D構造を採用した初のトランジスタを量産する準備が整ったことを発表した。
同社が開発したこの技術は「3-D Tri-Gate」と呼ばれ、開発コード名「Ivy Bridge」として知られる22ナノメートル(nm)製造プロセスのチップで初めて採用される。
ムーアの法則に従った成長を続けるのは、何か急激な変化がない限り難しいだろうとIntelのシニアフェローMark Bohr氏は米国時間5月4日にSPUR Urban Centerで開催された記者会見で述べた。
伝導チャネルは平面ではなく、3面からなる3D「フィン」で構成される。主な利点はフィンを覆うゲートにあるとBohr氏は述べる。
この新しい構造によって、Intelはより小さく高速で低電力のチップを製造し、より小型の端末に搭載することが可能になる。低電力であるほかにも、このチップによってリーク電流も抑えられることから、性能とエネルギー効率の向上が見込まれる。Intelによると、22nmベースのチップは、同社の現行の32nmチップより性能が37%向上するという。
Tri-Gateトランジスタはウエハ毎に2~3%の製造費用が増加する。この新技術に対応するため、Intelは2011年から2012年にかけて製造工場を改良する計画だ。
Intelは、Tri-Gateトランジスタについておよそ10年間にわたって語り続けてきた。Bohr氏は、この構造が「業界でよく知られて」いる一方で、Intelは競合に対して少なくとも3年は先を行くと考えていると述べた。
Intelのエグゼクティブバイスプレジデント兼アーキテクチャグループ担当ゼネラルマネージャを務めるDadi Perlmutter氏は、最初のIvy Bridge製品がクライアントおよびサーバ製品向けに提供される予定であると述べた。同氏はIvy Bridgeチップを搭載したノートPCとデスクトップPCを簡単に披露し、そのスピードを強調した。最終的にはタブレットやスマートフォン、組み込みデバイスなどより小型の端末にも搭載される見通しだ。
Intelは具体的な日程は明らかにしなかったが、2012年にはIvy Bridgeを搭載した製品が登場すると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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