Imagine Cupで同志社チームが念願の世界大会進出--遠隔診断システムで1位

岩本有平 (編集部)2011年04月28日 21時30分
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 日本マイクロソフト(マイクロソフト)は4月17日、学生IT技術コンテスト「Imagine Cup 2011」の日本大会を開催した。今回で9回目となるImagine Cup。7月には米国ニューヨークで世界大会が開催される。日本大会では、世界大会に出場する「ソフトウェアデザイン部門」および「組み込み開発部門」の代表チームが選出された。

 日本大会に出場したのは、両部門それぞれ3チーム。ソフトウェアデザイン部門では同志社大学の学生4人で構成するチーム「MI3」が、組み込み開発部門ではチーム「SunDonation」が、それぞれ日本代表に選ばれた。MI3の一部のメンバーは2009年、2010年と日本大会に参加するも1位の結果を残せず、3回目の挑戦にして念願の世界大会進出を実現した。

 Imagine Cupでは、毎回テーマを設定し、それに沿ったプロダクトの開発が求められている。2011年のテーマは2009年、2010年に引き続き、「国連ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)」。これは、テクノロジーを活用して世界の社会問題を解決しようという国連の定める8つの開発目標。具体的には(1)極度の貧困と飢餓の撲滅、(2)普遍的な初等教育の達成、(3)ジェンダーの平等推進と女性の地位向上、(4)幼児死亡率の引き下げ、(5)妊産婦の健康状態の改善、(6)HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止、(6)環境の持続可能性の確保、(8)開発のためのグローバルパートナーシップの構築——の8つとなる。

携帯電話で遠隔診断を行う「Dr.One」

 MI3は、その中から幼児死亡率の引き下げやHIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止などをテーマとして選択。新興国でも普及が進む携帯電話を使って、遠隔で病状を診断する「Dr.One」を発表した。

 国連の発表によると、現在、5歳未満で命を落とすのは年間900万人。全体の数字としては減少傾向にあるものの、南アフリカや南アジアではその数にあまり変化が見られないという。その背景にあるのは、医療に対する低いリテラシーと医療インフラの未発達さ。死因の上位を占める肺炎や下痢などは、適切に対応すれば安価で確実に治療できるものの、それが実現していない。さらに、サハラ以南のアフリカなどでは、医療従事者の不足も問題になっている。

 そういった地域を対象に、携帯電話上のテキストメッセージだけで病状を診断するのがDr.Oneだ。特定の臓器や部位に限定せず、身体を包括的に診療する「総合診療」の考え方をベースに、Dr.Oneから提供されるテキストメッセージで症状の有無についてやりとりし、診断を行う。

 プラットフォームにはマイクロソフトのPaaS「Windows Azure」を採用。また千葉大学医学部付属病院の生坂政臣氏(総合診療部部長)やオンラインでの病名診断サービスを公開する鳥越医院の鳥越恵治郎氏らが協力した。現在データベースにある200の疾患について、90%の精度で診断できるという。

 患者がDr.Oneに対して自然文でSMSを送信すると、自然言語処理を元に症状を判定。病名を判断するために患者に質問を返す。それに対して患者がイエス、ノー、もしくは不明という返信をしていくことで病名を絞り込み、最終的には治療方法やアドバイスを提示する。また医療従事者が所持する薬の情報などを入力することもできる。

同志社大学のメンバーで構成されたチーム「MI3」 同志社大学のメンバーで構成されたチーム「MI3」

組み込み部門はスレート端末を使った寄付サービスに

 一方組み込み部門のSunDonationは、「Windows Embedded Compact 7(EC 7)」搭載のスレート端末とAzureのプラットフォームを用いた寄付プラットフォーム「SunDonation」を発表した。

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