Kaspersky Labs Japan(カスペルスキー)は4月14日、Android端末向けセキュリティアプリ「カスペルスキーモバイルセキュリティ 9」を発表した。対象となるAndroidのバージョンは1.6~2.2。1カ月の体験版を特設サイトからダウンロードできる。
モバイルセキュリティ 9の主な機能はウイルス対策、プライバシー保護、盗難対策、着信拒否の4つ。ウイルス対策では、端末の内部と外部メモリを対象にマルウェアをスキャンする。アプリのインストール時とインストール後もスキャンする。またデータもスキャンすることができる。マルウェアを検知した場合、駆除と削除も可能だ。リアルタイムの保護のほかに、時間や曜日などのスケジュールを設定したスキャンも可能だ。
プライバシー保護機能は、連絡先のほかに通話や着信、SMSの履歴などを保護する。保護する連絡先を選ぶこともできる。盗難対策としては、リモートからの端末ロック、Googleマップでの位置情報確認、リモートからのデータ消去が可能。またSIMカードの差し替えを検知、通知する機能も搭載されている。着信拒否の機能では、電話の着信とSMSをフィルタリングすることができる。電話着信とSMSをホワイトリストとブラックリストの2つの方法で許可したり拒否したりできる。
カスペルスキー代表取締役社長の川合林太郎氏は、PCのマルウェアは「自己顕示から愉快犯、そしてネット犯罪という流れにある」と説明。スマートフォンなどを狙うマルウェアは「一足飛びにネット犯罪になっている」とスマートフォンのセキュリティの必要性を強調している。Kaspersky Labsの調べによれば、すでにマルチメディアプレーヤーアプリにトロイの木馬が埋め込まれていたり、ゲームアプリの中に悪意のあるコードが埋め込まれていたりするという。つまり「Android端末のユーザーが増えれば増えるほど、犯罪者はAndroidを狙ったマルウェアを作成する」(川合氏)ことになる。
今回のアプリはバージョン番号が「9」だが、これは「欧州などですでにSymbianなどの端末向けにセキュリティソフトを提供」(川合氏)しているためで、今回のアプリ名称は、それに合わせたものだ。
川合氏は、今回の日本語版アプリについては「有料化しない」ことを明らかにしている。日本においては、あくまでも「体験版を使ってもらうことで、カスペルスキーというブランドの認知度を上げる」(川合氏)ことが目的だからだ。Android向けのアプリマーケットプレイス「Android Market」では英語版のモバイルセキュリティ 9が販売されている(836円)。川合氏によれば、「表示が英語であることを除けば、日本語版と全く同じ機能を使える」という。
Android端末向けのセキュリティアプリの今後の展開として川合氏は、アプリマーケットプレイスで販売するほかに「キャリアと提携してアプリを提供することを検討しているが、(Android端末を開発する)メーカーと提携して、アプリを提供することも検討している」ことを明らかにしている。これは、システムの深いところに潜り込むルートキットに対応することを想定しているためだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」