シャープは4月22日、次世代XMDF制作ソフトを7月に正式リリースし、無償で提供すると発表した。これは販売目的のXMDFコンテンツを作成する企業を対象にしたもの。使用するには会社名などの登録が必要になる。これまで30万円で販売してきた有償ツールを無償化することで電子書籍制作への参入障壁を下げ、電子書籍および雑誌市場を拡大したい考えだ。
一般ユーザー向けには、すでにメディアタブレット「GALAPAGOS」用のPCソフト「GALAPAGOS Station」に含まれる「XMDF Clipper」にて制作ツールを配布している。
無償提供するソフトウェアは、制作ツール「XMDFビルダー」と「Hybridコンバータ」、作成コンテンツをPC上で確認できる「確認用PCビューア」の3つ。いずれもWindows版で、Mac版は「要望があれば開発を検討していく」という。
XMDFビルダーは、段組や高機能なマルチレイアウトができる「XMDF3.0」または「XMDF2.0」に対応したコンテンツを作成できるツールだ。一からツール上でレイアウトしていくこともできるが、DTPで標準的に使われている「Adobe InDesign」のIDMLファイルをもとに変換し、効率的に作成することを想定しているという。変換時に外字を認識すると、日本語フォント規格Adobe Japan1-6までの文字であれば外字を自動生成し、画像に変換する「外字自動生成機能」を持つ。
Hybridコンバータは、PDFとテキストデータを指定することで、全ページ画像の「イメージ型」コンテンツと画像とテキストを混在させた「ハイブリッド型」コンテンツを簡単に作成できるというものだ。
これまで、XMDFに関連する情報をどこで入手できるのかわからない、アプリケーションが高くて簡単には試せないといった声がシャープに寄せられていたという。XMDFの現在の市場流通は、書籍など文字中心のコンテンツが約3万冊、コミックが6万3000ファイル、雑誌は約170誌、辞書が約100ファイル。「まだ多いとはとても言えない。この状況下でいかに作成を簡単にしていくかが課題」とシャープは言う。アプリケーションを無償化し、サポートを充実させることで電子書籍市場をさらに活性化したいとしている。
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