家庭の無線LANには適切なセキュリティ設定が必要--IPA呼びかけ

 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は4月6日、3月と2011年第1四半期(1~3月)の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。一般家庭の無防備な無線LAN環境が悪用されるといった事件が複数報道されていることから、自宅の無線LANが犯罪インフラとして悪用されないよう、適切なセキュリティ設定についても説明している。

 無線LANは便利であると同時に、家庭内ネットワークへの侵入や、ネットでの不正行為のいわゆる“踏み台”など、悪用の対象として狙われやすい。しかも目に見えないことから侵入されても気づきにくいため、「適切な暗号化方式の選択」と「適切なパスワードの設定」が重要であるとしている。

 暗号化では最もセキュリティ強度の高い「WPA2」の「WPA2-PSK(AES)」あるいは「WPA」の「WPA-PSK(AES)」を選ぶべきとし、パスワードは大文字、小文字、数字、記号のすべてを含み、最低でも20文字の推測されにくい文字列を使うよう勧めている。

 3月のウイルス届出状況では、検出数が約2万4000個と、2月の約2万2000個から10.6%の増加。届出件数は985件となり、2月の974件から同水準での推移となった。不正アクセス届出状況では、3月は6件で、そのすべてに何らかの被害があったという。

 相談件数は45件で、このうち10件が何らかの被害に遭っている。被害届出の内訳は、侵入1件、なりすまし5件であった。ウイルス・不正アクセス関連相談総件数は1723件で、このうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が466件(前月473件)、「偽セキュリティソフト」に関する相談が7件(同9件)、Winnyに関連する相談が22件(同6件)、「情報詐取を目的として特定の組織に送られる不審なメール」に関する相談が2件(同ゼロ件)となっている。

 第1四半期のウイルス届出状況では、届出件数は3065件と2010年第4四半期の2964件から増加したが、全体としては減少傾向にある。2011年第1四半期の不正アクセス届出件数は28件で前四半期の50件から約56%減少。内訳は侵入25件、なりすまし11件、サービス妨害(DoS)攻撃2件、不正プログラム埋込2件、アドレス詐称1件、その他1件などとなっている。

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