ワシントン発--米国時間4月6日、米下院で海賊行為対策に関する公聴会が開催された。冒頭にBob Goodlatte議員がGoogleの海賊行為対策の取り組みは不十分だとする見解を示したことで、場の雰囲気はGoogleにとって厳しいものとなった。
下院司法委員会内の知的所有権、競争、インターネットに関する小委員会は現在、知的財産に関する海賊行為をはたらいたとされるウェブサイトを調査している。同小委員会の委員長を務めるGoodlatte議員(共和党、バージニア州選出)は、公聴会の冒頭でGoogleによる海賊行為対策の成果をいくつか挙げた。同議員は、米CNETが6日午前に掲載した記事を引用して、Googleが「Android Market」から音楽サービス「Grooveshark」のアプリケーションを削除した経緯を説明した。同サービスは、一部の大手レコード会社から著作権を侵害したと訴えられていた。
だがGoodlatte議員から見ると、Googleの取り組みはまだ十分ではないという。「問題はGoogleがこれまでに何を成し遂げたか、ではない」と、同議員は出席者に語りかけた。「むしろGoogleがやり残していることは何か、ということだ」
Goodlatte議員は、エンターテインメント業界の一部が長年にわたってGoogleに対し突きつけてきた非難の声を列挙した。例として、海賊行為の疑いのあるサイトがGoogleの広告を掲載して運営資金を得ている可能性がある点や、Googleが通知を受けても即座に問題のコンテンツを削除できていない点などが挙げられた。
今回の公聴会では、参考人として移民税関捜査局(ICE)の局長を務めるJohn Morton氏や、言論の自由を定めた米国憲法修正第1条の専門家であるFloyd Abrams氏などが証言を行った。
Googleを代表して出席したのは、同社のゼネラルカウンセルを務めるKent Walker氏だ。すべての参考人の中で小委員会のメンバーから最も大きな関心を集めたのは、Googleの海賊行為対策について詳細を説明できるWalker氏のようだった。
Walker氏はGoogleの立場について、著作権保有者がオンライン上で無許可のコンテンツを識別できるよう、支援の仕組みを作ることに多額の費用をかけていると説明した。一例として、Walker氏は海賊行為によるコンテンツが「YouTube」に投稿されるのを防ぐ対策として作成されたコンテンツ識別システムを挙げた。このシステムは、開発に延べ5万時間を要したという。
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