Mozillaはこれまで、電子メールソフトウェア「Thunderbird」が、より知られている同組織プロジェクトである「Firefox」のように財政的に自足自給可能な状態になることを望んできた。しかし、同組織は米国時間4月4日、代わりに他のコミュニケーション技術への取り組みを強化するという代替案を発表した。
Mozilla Messagingという名称のThunderbird開発グループは、Mozilla Labsに統合され、その正式名称を失うことになる。Mozilla Labsは、プロフィットセンターではなく研究機関である。Mozilla Messagingグループを統括してきたDavid Ascher氏は、「今後、ウェブ上のオンラインコミュニケーションとソーシャルインタラクションに取り組むMozilla Labs内の新しいイノベーショングループを統括する予定である」とMozilla Foundationの会長を務めるMitchell Baker氏は4日付けのブログ投稿で述べた。
Mozillaは、新組織の下でThunderbirdの開発を続けるが、最先端のオンラインコミュニケーションは、スタンドアロンの電子メールソフトウェアではなくウェブ上にあると、Baker氏は明言した。
この数年間でウェブは大きく変化した。大きな変化の1つは、ウェブが現在、メッセージング、コミュニケーション、ソーシャルインタラクションに利用される割合である。われわれは、ソーシャルネットワーキングサイトにメッセージを投稿し、ツイートし、アプリケーションからのメッセージ(「通知」と呼ばれることが多い)を受信し、ウェブベースのメールシステムを利用する。この分野におけるイノベーションの速度と重要性は非常に高く、ますます増大している。
Mozillaは、独自の組織構造を持っている。トップレベルはMozilla Foundationという非営利組織だが、その中に、Mozilla Corporationという企業組織があり、Firefoxを開発して、Googleなどのパートナー企業から同ブラウザの検索関連の収益を得ている。Mozilla Messagingは2007年、これと同様により財政的に自足自給可能な組織を目指して、傘下の企業組織として設立された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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