Symantecが発行した2011年3月度の「MessageLabs Intelligence Report」によると、ボットネット「Rustock」がうまく封じ込まれたことで、全世界のスパム総数が約33%減少したという。
Rustockはスパム業界のトップに君臨し、2010年末にはスパム全体の47%以上となる440億通ものスパムメールを1日に送信していた。Symantecによると、2011年に入ってRustockの勢いは衰えたものの、封じ込め直前の3月上旬の時点でも1日130億通のスパムを送信していたとのことだ。
しかし、Microsoftによる法的措置や連邦捜査当局の捜索により、Rustockのネットワークは数週間前に切断された。その結果、全世界のスパム総数が1日約330億通にまで減少したという。Rustock切断前の週は、1日のスパム総数は520億通となっていた。
こうしたボットネットは癖の悪いことに復活することが多いのだが、SymantecはRustockの復活を疑問視している。
SymantecのMessageLabs Intelligence担当シニアアナリストのPaul Wood氏は、報告書にて「Rustockは最近のボットネットの中で技術的に最も優れたボットネットのひとつへと成長したが、そこにMicrosoftと連邦捜査当局が協力して立ち向かってきた。Rustockの裏に潜む犯罪者がこうした組織に目をつけられて復活できるかどうか謎だ」と述べている。「Rustockはボットネットやマルウェア界の中心的存在として2006年1月から活動していたが、同時期に登場したほかのボットネットはほとんど消え去っている」(Wood氏)
もちろん、スパム業者が1つ消え去れば、その溝を埋めようと新たな組織が登場するものだ。Rustockが消えつつある中、現時点で最も勢いのあるスパムボットは「Bagle」だとSymantecは指摘する。同社によると、Bagleは医薬品関連のスパムを中心としてすでに何年も活動を続けており、2010年末時点の1日におけるスパム送信数は80億通以上だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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