電子書籍サービス「mixPaper」、出版社などに無料開放--人気作家のチャリティー同人誌も

岩本有平 (編集部)2011年03月30日 11時00分

 ファンタジスタは4月1日より、電子書籍出版プラットフォーム「mixPaper」を6カ月間無料で提供する。東北地方太平洋沖地震で被害を受けた出版社などを対象にする。

 mixPaperはPCで閲覧できるFlashベースの電子書籍サービス。基本機能は無料で利用できるほか、有料プランではDRMにも対応。個人から法人までの幅広い利用が可能だ。現在は出版取次などと提携して電子コミックの販売も手がけている。

 今回、東北地方太平洋沖地震によって雑誌やフリーペーパーの発行、流通が難しくなった出版社などに対し、サービスを6カ月間無料で提供することを決めた。「雑誌などを配送できない地域に向けて、電子書籍を無償で公開する大手出版社もあるが、中堅出版社やフリーペーパーでは(プラットフォームを持っていないため)実現できない。その際にmixPaperを利用してもらえれば」(ファンタジスタの高野寛嗣氏)。申し込みは4月末まで。無料配信の雑誌、フリーペーパーに対象を限定する。

 あわせて、電子書籍のチャリティー販売サービスを開始する。電子書籍を販売するユーザーは、決済手数料(売上の10%)とDRMライセンス(売上の5%。DRM使用時のみ)を除いた金額を、寄付することができる。販売期間や寄付先などはユーザーが決められる。

 ファンタジスタによると、「のだめカンタービレ」の二ノ宮知子さん、「GTO」の藤沢とおるさんなど、有名マンガ家が参加するチャリティー同人誌の販売にも同プラットフォームが採用される予定だという。「(チャリティー同人誌は)転売されたり、本来の趣旨と異なる値段の付き方がされたりする。電子コミックで並行して売れば、無駄な値上がりも防げる上に販売する会場に行けない人も購入できる」(高野氏)

 Android版のビューワアプリも同じタイミングで提供を開始する。アプリでは、購入した電子書籍や自作の電子書籍などを閲覧可能。有料電子書籍の試し読みやアプリ経由での購入にも対応する。

 電子書籍のデータをアプリ内に保存し、最長10日間オフラインでの閲覧が可能。閲覧期間の制限は、ネットワークに接続した際、自動的に10日間に再延長される。しおり機能も備えており、PC、Androidアプリ間での自動同期にも対応する。

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