インターネット検索サービス「NAVER」を運営するネイバージャパンは3月9日、キュレーションプラットフォーム「NAVER まとめ」を刷新した。
NAVERまとめは、ユーザー自身が検索結果を作成できる新しい形の検索サービスとして2009年7月にスタートした。特定のテーマごとにネット上のコンテンツを収集し、共有する「キュレーション」という作業を支援している。まとめを作成したユーザーに広告収益を分配する仕組みも備える。
これまではまとめを作成するにあたって、「リンク集」「画像集」「動画集」といったまとめの形式を事前に選択する必要があったが、リニューアルを機に廃止した。1つのまとめの中に画像や動画、リンク、テキストなどあらゆる情報を組み込めるようになり、より包括的なまとめを作れるようになった。
また、Twitterの発言もまとめの中に組み込めるようになった。まとめ作成画面で、任意のキーワードかTwitterのユーザー名で検索し、表示された発言を選択するだけで、まとめの中に好きな発言を追加できる。
さらにまとめ作成者の観点をより強く反映させるために、まとめコンテンツの「並べ替え」や「見出し」などの編集機能を追加した。まとめページ内に掲載するコンテンツの順番をドラッグ&ドロップで自由に並べ替えたり、見出しをつけたりすることで、まとめ作成者が見せようとしているストーリーが閲覧者に伝わりやすくなった。
これまでのNAVERまとめでは、おもしろいリンク集や画像集は作成できても、リンクを集めて一貫したストーリーを説明することは難しかった。情報の収集と共有は可能だったが、コンテキスト(文脈)を打ち出すことは弱かったといえる。
たとえば、「iPad 2への反応」というタイトルでまとめを作ってみるとする。これまではニュースサイトやブログから集めてきたリンクを羅列することしかできなかったが、リニューアル後は「好意的な記事」「批判的な記事」と見出しを分けて表示したり、「Twitterユーザーの反応」という見出しでTwitterの発言を表示したりと、より自由度が増した。
「キュレーションとは、目利きの人が情報をわかりやすく整理すること。池上彰さんのような存在。いままではNAVERも含め、それが包括的にできるツールはなかった」とネイバージャパンサービス企画室 室長の島村武志氏は話す。
リンクや画像、動画、Twitterの声などを1ページに盛り込み、レイアウトを工夫して、わかりやすく表現する新しいNAVERまとめは、まるでテレビのニュース番組のフォーマットのようでもある。
似たようなサイトには、ヤフーの「Yahoo!トピックス」がある。Yahoo!トピックスでは話題のニュースについて、関連する記事やブログなどのコンテンツを整理し、集約して提供している。
ただしYahoo!トピックスは話題の対象が最新のニュース記事に限定されてしまうこと、ヤフーのスタッフが主に編集する形式であることから、話題の選別基準が一元的になってしまうという課題があると島村氏は指摘する。
「新しいNAVERまとめでは、Yahoo!トピックスのような編集を誰でも簡単にできるようにした。そうすることで、いままでなかったような観点のまとめコンテンツが増え、ユーザーと情報の出会い方が変わってくる。“(ネットの情報収集なら)ヤフトピを押さえておけばいい”という価値観を置き換えたい」(島村氏)
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