SAS、銀行向けデータ統合ソリューションを提供開始

富永恭子(ロビンソン)2011年03月01日 20時22分

 SAS Institute Japan(SAS)は3月1日、銀行を対象としたデータ統合ソリューション基盤である「SAS Banking Analytical Architecture (BAA)」と、同ライセンスの導入、運用に関するコンサルティングサービスの提供を開始した。

 国内銀行の多くは、銀行間の統合や部門、部署毎に多様なシステムを導入してきたことにより、多数のデータベースが散在し、その管理コストの増大やデータの不整合といった課題を抱えているという。また、全社的なデータウェアハウス(DWH)が整備されていないために、環境の変化に応じたリスク管理や、顧客動向の分析、データガバナンスの維持などに迅速に対応できないケースも少なくないという。SASでは、BAAがこれらの課題を解決するとしている。

 BAAは、リスク管理、AML(アンチマネーロンダリング)、マーケティングなど銀行のデータ活用ニーズを満たす包括的データ統合基盤だという。企業内に散在するデータを、国内外の数多くの銀行システム導入で培ったノウハウを盛り込んだデータモデルである「SAS Banking Detail Data Store (DDS)」に統合することにより、データの管理コストを削減する。また、DDSは市場リスク、信用リスク、オペリスクなど多くのリスク管理システムのほか、マネーロンダリング対策に代表されるコンプライアンスシステムや、イベントベースドマーケティング(EBM)に代表されるマーケティングシステムにも対応する。

 DDSはまた、データモデルとして「論理データモデル」と「物理データモデル」の両方を提供する。多くのDWHでは論理データモデルのみ提供となるため、導入時にプロジェクト単位で論理データモデルから物理データモデルを設計、生成した上で構築する必要がある。DDSでは、物理データモデルがあらかじめ提供されているため、DWH構築の期間短縮と導入コストの削減が可能になるという。

 BAAは、DDSの他にETLツール「SAS Data Integration Studio」や包括的なBI(ビジネスインテリジェンス)機能も提供する。ETLツールはDDSにデータをロードするためのデータ処理フローをGUIベースで開発でき、円滑なデータウェアハウスの構築を支援するという。またBI機能を使用することにより、組織全体にわたってリスクを正確に予測、モニタリング、レポーティングすることが可能になるとしている。

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